スランプになっちゃいました……からの書籍化!?

筑前助広

スランプになっちゃいました

 スランプになっちゃいました。

 満足いくものが書けません。昨年の10月に「逸撰隊血風録~安永阿弥陀の乱~」を書き上げて以降、長編を全く書き上げていません。これは僕の執筆人生の中でも、最も長い空白です。

 スランプだからと何もしていないわけではありません。資料を読み込み、詳細なプロットを組んでいます。実際に10月以降、長編2作品20万文字は書いていますが、どうにも筆が乗ってこないのです。言わば、小手先で書いているような感じです。

 筆が乗らないというのは、抽象的な表現ですね。具体例を挙げるか、以下のような状態になっています。


・キャラクターが魅力的に感じない。

・展開が陳腐(取ってつけた感)に思えてしまう。

・幼稚な文章しか書けない。

・自分が楽しいと感じない。

・プロとの差に愕然としてしまう。


 総合的に見れば実力不足・準備不足という点に帰結すると思います。それは重々承知していますが、個人的には精神的な面もあると思うのです。実は体調を崩し長らく仕事を休んでいまして、昨年の10月から新しい事業所に復帰&異動したのです。ただでさえ慣れない職場の上に、僕が親の仇のように忌み嫌う「GoToトラベル」の開始で、残業に次ぐ残業。ヘロヘロになって読書もままならない日々が続きました。

 現在は感染拡大に伴い「GoToトラベル」も休止、仕事も余裕が出ましたが、書けないという症状は収まらず(あれ? なら精神面じゃないんじゃない?)


 どうやったら、書けるようになるのでしょうか。

「書きたいものを書く」というのが一番というアドバイスを、以前に貰いました。僕の書きたいものは、「それは、欲望という名の海」や「逸撰隊血風録~安永阿弥陀の乱~」の続編です。

 しかし、プロを目指す身にとって、自己満足の続編など書いている余裕はないのです。勝てる作品を、一作でも多く書く。この為に時間を費やすべきと思うのです。

 ただ、こうした意識が足枷になっているのも、自覚はしています。また、同時に前作以上のものを書かねばというプレッシャーも重石になっています。

 特に「それは、欲望という名の海」は書きたいものを、理想的な物語を書き上げた満足感があり、それで受賞したという結果もあるので、ある意味で燃え尽き症候群なのかもしれません。


 自分の頭の中を整理する意味で、うだうだと書きましたが、スランプの正体と打開策が浮かびません。

 一旦は休憩の意味でも、書きたいものを好きなように書いた方がいいのか。それとも、足掻いて足掻いて書き続けるのか。どちらにせよ、書くという行為はやめるつもりはありませんが。


 最後に、こんなスランプ状態で、最悪なコンディションでも、NOVEL DAYS × tree 2000字文学賞 「歴史・時代小説」で佳作を獲った僕を褒めてくだされば嬉しいです。

 本調子で挑んでいればと悔やむところではありますが、それも含めて実力なのでしょう。

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