【夫婦恋愛】レイトサマーラブ

佐伯達男

レイトサマーラブ

時は、8月の最後の土曜日の朝8時半過ぎのことであった。


場所は、いよてつ古泉駅のプラットホームにて…


アタシ・ゆな(36歳・パート主婦)は、ダンナ・しょうじ(42歳・会社員)と夏の終わりのデートを楽しむ予定である。


先にダンナが古泉駅にきて、アタシが来るのを待っていた。


アタシは、パート先の松山市内のコンビニからダンナと待ち合わせをしている古泉駅へ直接向かった。


8時半を少し回った時であった。


下りのいよてつ電車がプラットホームに到着した。


すぐ近くにあるエミフルマサキへ行く女のコたちのグループと若いカップルさんたちと家族連れのみなさまと一緒にアタシは電車を降りた。


アタシのデート着は、上は白のキャミソールの上からブルーのサマーニットと下はライトグレーのマキシ丈のスカートでコーディネートして、白のトートバッグを持って、オシャレなサンダルをはいてダンナの元へやって来た。


「あなた、お待たせ。」

「わあー、きれいだね…すてきだよ。」


(ムギュッ…)


ダンナはアタシの右手を思い切りにぎりしめた。


(ドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクン…)


同時に、アタシの乳房(むね)の奥で激しい鼓動が高鳴った。


ああ…


そんなに激しい力でにぎりしめたら…


ドキドキしちゃうよぉ…


アタシとダンナは、ダンナの職場の上司の夫婦からの紹介でお見合いをした。


1~2ヶ月のお付き合いを経て入籍した。


挙式披露宴を挙げる時期は、未定である。


アタシは、ダンナが出会うまでの間、本当の恋をしたことがなかった。


デートと言えば、一時間の間だけカフェテリアでおしゃべりをする程度であった。


遠方やオシャレなところでデートはしなかった…


36歳でまだバージン…


ダンナにヴァージンをささげるチャンスがやって来た。


きょうは、入念におしゃれをした。


9時に、エミフルマサキがオープンした。


アタシとダンナは、まずエミフル内のグランフジのファッションのコーナーへ行った。


ファッションのコーナーは、秋モードに変わったので、夏のファッションは少なくなった。


そんな中で、アタシは黒の三角ビキニとピンクのウェブポーターのスイムファッションのセットを見つけた。


ビキニのサイズがアタシのふくよかすぎる乳房と同じバストサイズであった。


早速アタシは、ダンナにおねだりして買ってもらった。


ダンナは『双海の海浜公園まで遠出をしようか。』と言うた。


このあと、ふたりで双海の海浜公園へ向かうことにした。


それから一時間後のことであった。


ところ変わって、双海の海浜公園の海水浴場にて…


到着した後、アタシは着替の部屋でビキニに着替えた。


ダンナは、先にえんじ色のサーフパンツに着替えた。


ダンナは、わくわくしながらアタシが出てくるのを待っている。


「あなた…お待たせ…」


アタシは、黒の三角ビキニの上からピンクのウェブポーターのラップドレス姿でダンナの元にやって来た。


「わあー…うれしいな…キレイだね。」

「やだ…あなた…恥ずかしいわ…」


(ムギュッ…)


ダンナは、アタシの背中を両腕で激しく抱きしめた。


ヤダ…


あなた…


そんなに激しい力でおさえつけられたら…


ムラムラしちゃうよぉ…


ダンナは、ビキニの上に着ていたラップドレスをそっと脱がした。


「ああ、ゆな…ゆな…」

「やん、あなた…」


ラップドレスの中から、黒の三角ビキニがあらわになった。


その直後に、ダンナはアタシに抱きついた。


(ムギュ…)


ダンナは、アタシの肌の温もりにうもれて甘えた。


「温かい…温かいなぁ…」


かわいい…


甘えん坊さんね…


アタシは、甘えているダンナをギュッと抱きしめながら髪の毛をなでた。


その後、ふたりはビーチへ行った。


ふたりは、波打ちぎわでビーチデートを楽しんだ。


それから90分後のことであった。


水着姿のふたりは、桟敷席で過ごした。


(ザザーン、ザザーン、ザザーン…)


水着姿のふたりは、波の音を聞きながらキスをしていた。


(ザザーン、ザザーン、ザザーン…ドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクン…)


ふたりは、おだやかな波の音と胸の鼓動を聞きながらキスをしている。


(ドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクン…ヌル…)


あっ…


アタシのお口に…


ダンナの舌が入った。


それから数分間、アタシとダンナは舌をからませた。


それから10分後のことであった。


灰色の雲が空をおおった。


今にも、雨が降りそうな空模様に変わった。


(ゴロゴロゴロゴロゴロゴロドスーン!!…ドザー!!)


大きな雷鳴がとどろいた後、激しい雨が降りだした。


「キャーッ!!」


思わず悲鳴をあげたアタシは、ダンナに抱きついた。


「ゆな…どうしたのだ?」

「アタシ…雷が苦手なの…」


(ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロ!!ドスーン!!ドザーッ!!)


「キャーッ!!」


ダンナの胸にしがみついたアタシは、コアラの赤ちゃんのように震えた。


「やだやだ…雷こわい…あなた…助けて…」


ダンナはほほえみを浮かべながら『かわいいな…』とつぶやいた。


雨がやんでから10分後のことであった。


震えているアタシを激しく抱きしめているダンナは、キスをしながらピンクのシュシュを外して、ポニーテールをほどいた。


「ゆな、ゆな、ゆな、ゆな、ゆな、ゆな、ゆな…ああ、ゆな…」


そして、アタシの髪の毛をグシャグシャに乱した。


アタシのバージンをダンナにささげる時がやって来た…


ああ、こわい…


こわい…


ダンナは、黒の三角ビキニ姿のアタシを寝かせた後、髪の毛をなでながらアタシの右のくびすじにキスをした。


(ドクンドクンドクンドクンドクン…)


ああ…


アタシ…


バーストしちゃう…


もうだめ…


早くうばって…


あなた…


早くアタシをバージンをうばって…


しかし…


「やだ…やだ…やだ…」


アタシは思わず声をあげた。


この時、ダンナはアタシのお顔をなめようとしていた。


ダンナは、アタシに『どうしたの?』と言うた。


「ゆな…どうしたの?」

「メイクが崩れちゃう…ここでお顔をなめられたら…イヤなの…」


ダンナは『ごめんね。』とアタシに言うた。


アタシは、ロストバージンのチャンスを逸した。


あ~あ…


またチャンスを逸しちゃった~


あと一歩で、バージンをささげることができたのにぃ~


それから数日後のことであった。


ダンナの仕事がより忙しくなったので、帰宅をする時間が遅くなった。


アタシは、さみしさをさらにつのらせた。


夜、ダンナと一緒に眠るときにアタシを抱いてほしいとダンナにお願いした。


けれどダンナは『しんどい…寝る。』と言うて先に寝てしまった。


9月の第1金曜日の朝のことであった。


朝ごはん時に、ダンナが新聞を読みながら食べていた。


アタシは『新聞を読みながらごはんを食べないでよ!!』とダンナに怒った。


そしたらダンナは『うるせー!!オレの勝手だろ!!』とアタシに言い返した。


ダンナは、アタシにプイと背を向けて会社に出勤した。


アタシは、その場に座り込んでくすんくすんと泣いた。


アタシ…


ダンナにきらわれた…


悲しい…


その日の夕方5時過ぎのことであった。


アタシは、ひとりぼっちで松山三越のアーケード側のエントランスのホールにいた。


館内のベンチに座って、ぼんやりとした表情で考え事をした。


エントランスのホールにカップルさんたちがたくさんいて、夕方のデパートデートを楽しんでいた。


デートを楽しんでいるカップルさんたちを見たアタシは、震わせて泣いた。


そんな時であった。


「ゆな…」


夕方5時半過ぎのことであった。


ダンナがアタシのそばにやって来た。


(ムギュ…)


ダンナは、アタシの背中を激しく抱きしめた。


あたたかい…


あたたかいわ…


アタシを抱きしめているダンナは、悲しげな声で言うた。


「ゆな…ゆながいなくなったので、探していたよ…ゆな…ゆな…」

「あなた…あなた…ねえ…あなた…」

「ぼくは…ゆなのことが大好きだよ…大好きだから…ゆなを抱きしめたい…ゆな…ゆな…ゆなを抱きしめたい…ゆな…ゆな…ゆな…」


ダンナの優しさにふれたアタシは、うれしくなって涙をポロポロとこぼした。


「あなた…アタシを抱いて…アタシを抱いて…」

「もちろんだよ…女の子は…ゆなひとりだけ…ゆな…ぼくの…ぼくだけの女の子…ゆな…ゆな…ゆな…」


アタシはダンナに、涙ながらの声で『アタシのバージン…あなたに…ささげるわ…』と伝えた。


(ドクンドクン…ドクンドクン…)


どうしよう…


アタシの乳房(むね)の鼓動が…


ますます高まってるわ…


くっ…


苦しい…


アタシ…


ダンナに恋しちゃったわ…


(ドクンドクン…ドクンドクン…ドクンドクン…)


どうしよう…


乳房(むね)の鼓動が…


激しくなって来た…


アタシ…


バーストしちゃう…


それから二時間後のことであった。


ところ変わって、二番町のラブホにて…


(ドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクン…ドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクン…)


うすぐらい灯りが灯る部屋で、アタシとダンナは抱き合ってキスをした。


ダンナは短パン1枚の姿で、アタシはパープルのユニクロエアリズムのVネックのブラキャミとビキニショーツ姿である。


ダンナは、アタシの髪の毛をなでながらキスを繰り返した。


キスのあと、ダンナはアタシをベッドに寝かせた。


ダンナは、アタシの身体に乗っかったあとアタシのお顔を舌でなめ回した。


「ゆな…」

「ああ…お顔が汚れちゃう…お顔が汚れちゃう…」


ダンナは、舌先でアタシのお顔を40分間なめ回した。


ヤダ…


お顔が、真っ黒に汚れちゃった…


あっ…


ああああ…


ダメェー!!


ダンナは、ブラキャミとビキニショーツを強引に脱がした。


生まれたままの姿に変わったアタシをダンナが強引に押さえつけた。


「ゆな…」

「あなた…あなた…イヤ!!」


ダンナは、より激しい力でアタシの身体をむさぼった。


苦しい…


苦しいよ…


アタシは、少しずつ夢心地に引きずり込まれて行く…


そして…


「ああああ…」


ダンナは、アタシのバージンを強引にうばい取った。


同時に、女の願望が目ざめた。


【おしまい】

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