死の接吻
☆STEP 1
構成にひねりを加えたアイラ・レヴィンの傑作長編。構成の工夫がどうたらとか語りたい作品ですが、あくまでこの企画は英語学習ものですので、割愛します。でも、面白いですよ、まだ読んでいないかたはうらやましいとだけお伝えしておきます。
では、英訳にうつりましょう。
といっても、今回は楽勝な匂いが漂っています。まず、タイトルの構造が簡単。久々の「○○の××」のシンプルなつくりをしています。ただ、日本語における「の」が侮れないことは過去のチャレンジで学習済み。
英単語自体に「の」の意味を含むものもあれば、【of】や【's】といったものを加えることもあるから、厄介このうえない。
まず「死」は【death】でしょう。これはミステリでは頻出のワードなので、スペルにも自信があります。ただ【dead】のパターンも念頭に置いておく必要はありそう。
お次は「接吻」。まぁ、この作品が最初に日本語に訳されたのがいつかはちょっと調べが行き届かなかったのですが、「接吻」は日本語として古めかしいというか、文語的というか詩的というか。原題で一般的なのは「キス」でしょう。「接吻」なんて、それこそ曲や小説のタイトルでしか巷をうろついていない印象があります。「キス」なら簡単で【kiss】でしょう。
☆STEP 2
死という単語の扱いに悩みましたが、
“The Death Kiss”
で、どうでしょうか?
ポイントは「ス」で語尾が韻を踏んでいること。でもなぁ、【th】と【ss】の発音は違うんでしょう、きっと。
☆STEP 3
正解は
“A Kiss Before Dying”
でした。
うーん、なんともリアクションがとりにくい原題でした。この企画は単純に英語訳として意味が通っていればよいというものでもないので、なんとも。
そもそも、日本語訳を出すうえで、タイトルを決める人がタイトルをつくるという側面もあるわけで。英語と日本語的に正しいけれど、作品のタイトルとしては他国の言語や文化では伝わらない、伝わりにくいというケースの場合、創作に近い形をとることはあるでしょう。
“A Kiss Before Dying”を私なりに日本語に訳すと「死の前のキス」です。まぁ、これ作品内容にも英語にも大はずれはしていないはず。
いや、ダイイングメッセージの【dying】ですから、「死に際の」のほうがいいのかもしれません。
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