第36話 サイン
カナタと一緒に俺は買い物に付き合っているとカナタのファンと思われる男性が声をかける。
「あのっサインください!」
「はい、喜んで」
彼女はさらさらとサインをかく。
「あ、ありがとうございます!」
その後、ファンと少し談笑する。
完全に営業スマイル。
ぐぬぬ、仕事とはいえ他の男と喋るのはなんかむかつく。
俺は、ずっと我慢していた。
「ところで、こちらの方は?」ファンに聞かれる。
「……あの……親戚です。ここら辺詳しいので送ってもらったんです」
「なるほど」
ファンに手を振るカナタ。
「どうしたの、ソウタ?」
「親戚ねぇ」
「し、仕方ないじゃん、彼氏って言ったら大騒ぎになるし」
「わかっているけどさぁ……なんかなぁ」
「もしかして嫉妬してる?」
「ばっちげぇよ」
「ふふっ可愛い」
「な、なんだよ」
「ふふっ、大丈夫だよ」
「…………何が」
「私はソウタのモノだから」耳元でカナタはそうつぶやく。
「…………っ」
「あはっ照れちゃって、かわいい」
「カナタぁああ」
「きゃあああ♡」
しばらく俺たちは追いかけっこした。
まぁたまにはこういうのもいっか。
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