三日月のゆりかご


三日月

傾き

夜の月


考え疲れた私を乗せて

ゆらり ゆらり

心地良く

眠りにつくまで側にいて


夢現ゆめうつつの狭間では

怖くないよと言ってほしい

迷わないように

転ばないように

優しく 優しく 歌ってほしい



三日月

輝き

夜の月


過去に怯える私を乗せて

じわり じわり

胸の奥

温まるまで側にいて


もしも悪夢に飲まれても

怖くないよと言ってほしい

終わったことだと

始まってもいないと

優しく 優しく 教えてほしい



お月様は許してくれる

夜だけ子どもでいることを

ゆらり ゆらり

三日月のゆりかご

子守唄を歌ってくれる


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る