第105話 微熱が出ただけなのに
結果は案の定、陰性でした。明日から出勤できますし、巻き添え待機の人も出勤できます。ちなみにアレルギー科はコロナ感染拡大防止のため、休診とありました。おじいちゃん先生だから仕方ない。開いている別の時間にまた行こう。
しかし、夫から「しばらくは接触を避ける。うつされてまた仕事を潰されてはたまらん」とメール。口も聞きたくないようです。家庭内別居宣言ですか、そうですか。看病ゼロだったし。
「コロナはただの風邪じゃなかったの? 今まで大丈夫、罹らないと豪語してたのにダブルスタンダードではない?」
「再び聞くが人の仕事の足を引っ張って楽しいのか?」
「だから公衆衛生に楽しい楽しくないは関係ない」
とメールによるケンカの末、第三者の意見を聞こうとなり、夫も顔を合わせたことのある別官庁の千田さん(仮名)へ顛末を書いたメールを送信しました。内容はお互いに推敲しましたが、今回のことで初めて夫の業務内容を知りました(夫は特殊な部署)。すでに別の自宅待機組もいたことも判明。
夫は仕事の話を全くしない人です。問いかけても「別に」や沈黙です。これじゃ恨まれるのは当然と納得はしたのですが。
かと言って、いつから発熱したのかという上司の質問に嘘はつけませんし、指示も厳しいと思いつつ、従っただけです。公衆衛生に嘘は禁忌です。
普段から花粉症の時期は微熱が出るからそれだと思うと上司に告げたのですが、「ならば土曜日に連絡して発熱外来を受診しなさい」と逆にたしなめられました。
うち、基準が厳しすぎる。濃厚接触者だけでなく、その周辺にいる人まで濃厚接触者扱いするので、一人そうなると三人から五人は欠けてしまいます。
夫には「だから舌下免疫療法しろと」と詰められますが、年単位でかかるし、ADHDも抱えているし。スギ、ヒノキ、ダニと全部やってたらおばあさんになってしまう。
まあ、言い訳にしか聞こえませんね。
そして、夫婦の問題に巻き添えにした千田さん、すみません。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます