第42話 これ、うちのことだ!

(以下、令和三年一月二十四日の読売新聞より引用しながら書いていく)


 そこには「米大統領選 「不正」日本投稿七割」「根拠不明 ツイッター投稿分析」「怪情報即座に「輸入」」「真偽二の次 バイデン氏卑怯」との大見出しと中見出しが並び、SNSで世論操作をする側、鵜呑みにして拡散される様が書かれていた。票が埋められたというニュース(これは私もまとめサイトで見たことがある)もフェイクニュースで無関係の写真が使われていたことも知った。


 「『米国で発信された情報が何故か日本へ来ると「不正だ」「バイデン氏は卑怯だ」「許せない」と言って瞬く間に拡散した。

 特徴的なのはトランプ氏が裁判などで主張が退けられた後も「集計器が不正プログラムで票の数が操作された」と信じる人が多かったことだ」

 うん、うちの夫のことだ。


 「発信源は身元不明のアカウントだ。米国から「輸入」した誤情報を訳して発信し、一部の評論家から過激な意見を付けて広げる傾向がうかがえる」


 うん、たぶんあの評論家や、フォロワー数が万単位のアカウントだろ。


「××法改正に反対します」のハッシュタグつけて拡散させた人かと推測する。このタグ付けたアカウントは皆リムってミュートにしたから、過去投稿探る気にはならないが、中にはバズるために手段を選ばないのもいるだろう。


 法改正については音楽ファンの方が鵜呑みにして「許せない!」と怒っていたから、丁寧な法改正解説をまとめたサイトへ誘導したこともあるくらい。

 


 話が逸れた。元に戻す。


「過去の投稿から中国や在日外国人に反感を持ち、トランプ氏の強硬姿勢に共感する意見が多い」


 それも当てはまる。


「中には『バイデンや日米のメディアは操られている』と言った陰謀論を流布させ、昨年十月頃からフォロワーを急増させていたアカウントも少なくない」


 ああ、だから「新聞は読まない、お金も払わない」と言い出したのか。


「こうした情報は広まってしまうのはなぜか(略)米工科大学の研究チームは2006年から2017年マサチューセッツまでの英文投稿12万6000件を調査。正しい情報と誤情報が千五百人に届くまでの時間を比較したところ、誤情報が六倍速いという結果が出た。(略)「フェイクニュースを科学する」の著書がある笹原和俊・東京工業大学准教授は「情報が溢れていると、信じたいものを見てしまい、真偽は二の次になる」とSNSに依存するリスクを指摘する。(略)特に拡散力が強いのは『怒り』だ」


 今までの夫の言動と一致する。私はこっそり切り抜き、スクラップすることにした。後で何かの参考になると思ったからだ。


 皮肉にも今、このエッセイに役に立っている。

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