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目次
吠えろ負け犬遠くまで
身包み剝がされたマネキンが躍っている
たしか昼間はドレスを着ていたっけ
照明の下は眩しくないかい
関節が軋んでいるのを聴く
逆さまにされた椅子が眠っている
たしか昼間は辛そうにしていたっけ
お疲れ様です、ごゆっくり
嗚呼、吠える
遠く、遠く、遠く
誰もいないホールに響かせて歌う
「売れ残りだけ居残りさ」
夜が明けるまでの僕たちの詩（うた）
中途半端に売れたマネキンが歩いている
たしか大きな麦わら帽子を被っていたっけ
白い裸足で何処に行くんだい
小さなゲームセンターが騒がしい
貼り紙されたドアが開いている
たしかあそこは出口だっけ
見なかった振りを決め込んだ
今なら御安くしときましょ
値下げもどんどん大歓迎
迎えられたら勝ち組さ
無料（タダ）でもいいから貰ってけ
誰もいないケージに当て付けて歌う
負け犬なりの悪足掻き
停まったエスカレーターでも上まで届け
マネキンが服を着せられて黙っている
たしか昨夜は躍っていたっけ
もう朝か、と呟いた
今だけ大人しくしときましょ
吠えるのは負け犬だけだから
無料でもいいから貰ってけ
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