逃飛行
いつか空を飛べたら
なんて考える夏風、昼、
明日やりたいことなんて無い
今日で精一杯なので
木陰のベンチの頭上から
心臓の音が聞こえたなら
なんて考えた夏陰、散る空蝉、青
今日やりたいことなんて無い
木の枝に引っ掛かっていた風船を
割れないように外して
それで飛べるわけでもないが
雲に乗って
鳥と並んで
想像の中なら空だって飛べるんだ
現実が生き辛いので
多分ずっとやりたいことなんてなくて
想像だけが嵩んでいって
それで飛べるわけでもないが
だってそうなんだ
今日で精一杯なので
今日やりたいことなんてない
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