3【詩集】逃避行/散歩

桟橋、臨む水平線

知らない町の 知らない匂いと 知らない記憶。


確かに足跡は後ろに残っているのに

ここまでやって来た実感が無くて、

知らない町の 知らない桟橋で うずくまっている。


見えるのは、透き通った海面と途切れた道。

それと見慣れた水平線。


入道雲の輪郭と、

揺れるわたしの輪郭と。

それと見慣れた水平線。


知らない町で でもわたしは 立ち上がった。

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