第8話・姉妹責任です!

 いったい、誰かしら? じろっと疑いの目を向けると、気まずそうに泳ぐ目が四つあった。


「あなた達!」

「「「「「なあに? お姉さま」」」」」」


 五人の声が見事に重なる。さすが五つ子、息があってるけれど。わたしはそんなことでは誤魔化されなくてよ。



「シュネ、スノー、ニィーベ、ネージュ、ブランシュ。そこに座りなさい」

「「「「「痛い~」」」」」



 拳を作って妹達の頭につぎつぎ拳を投下した。



「姉妹責任よ! 誰かわたしの胸を触ったわね?」

「わたしそんなことしてない。スノーは?」

「わたしだって。ニィーベは?」

「わたしだってしてない。ネージュじゃないの?」

「知らないわ。ブランシュでしょう?」

「違う。そういうシュネはどうなの?」



 五人でギャンギャン言い始める。きりがない。そのうち五つ子達の会話は妙な方向へ向かい始めた。



「損したわ。わたし触ってもないのに~」

「お姉さまのお胸、柔らかくて大きいのよね」

「そうそう。わたしもあんなお胸になりたい」


「でも大きいと年をとってから垂れると聞いたわよ」

「それって張りがなくなるってこと?」


「そんなのヤダ。やっぱりお胸小さくてもいい」

「「「「「そうね、垂れるよりは良いわよね」」」」」

「そんなところは共鳴しなくていいからっ。反省なさい」



 私は再び、五回拳骨をお見舞いした。


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