第63話 呪いの首輪




 一週間も経って、ようやく異常に気づいた。


『なる』きっかけがなかったから、なかなか気づけなかったが《魔化》できなくなっていた。我も呼んでも反応がない。


 気になって自分を《鑑定》してみた結果が、






  《ゴーゴンの少年 蛇亜人 ♂》

   ステータス

    LV 1

     HP   325

     MP    50

     POW   40

     DEF   40

     SPD  350

     MAG   30

     INT  400

     LUC  ???



   状態

    平常


   スキル

   《瞬身LV1》

   《持久LV5》

   《突貫LV4》

   《破砕牙LV4》

   《握撃LV4》

   《締め付けるLV5》

   《突き刺すLV4》

   《蛇毒牙LV3》

   《薙ぎ払うLV5》

   《隠密LV6》

   《稲妻蹴り》

   《鑑定LV1》

   《丸呑みLV5》

   《演算処理LV9》

   《眼力LV10》

   《威圧LV1》

   《暗視LV7》

   《引っ掻きLV7》

   《毒爪LV6》

   《察知LV9》

   《体液操作LV4》

   《思考加速LV4》

   《並列意思LV2》

   《念話LV10》

   《空中戦LV5》

   《統率者LV6》


    パッシブSKILL

    《超直観》

    《勇者適正》

    《戦闘の天才》

    《武器技能適正》

    《魔術技能適正》

    《輝く英雄性》

    《精力絶倫》

    《異世界言語(全人)》

    《第三の目》

     《観察力》

    《器用な指先》

    《滑かな舌》

     《淫蕩の血》

     《巨根の者》

     《身体操作》

     《感情操作》

     《逆境〇》

     《絶対の復讐》

     《陽の当らぬ闇》

     《武道の素養》

     《驚異の集中力》

     《恵体》

     《強力》

    《強固》

     《粘着耐性LV10》

     《蜘蛛粘着耐性LV3》

     《恐慌耐性LV1》NEW!

     《毒耐性LV10》

     《蜘蛛毒耐性LV4》

     《痛覚軽減LV9》

     《苦痛耐性LV9》

     《大食LV2》

     《南の森の知恵LV3》



    成長スキル

     《神の約束した克服》

     《焦土の吸収力》

     《果て無き成長》

     《無限の度量》

     《消化吸収能力LV8》


    パーティスキル

     《はさみ撃ち》

     《箒とちり取り》



   称号

   《分析者》

   《抗う者》

   《切ない旅人》

   《覆う者》

   《情深き者》

   《報いる者》

   《善悪に愛されし者》

   《武を愛する者》

   《与えられた者》

   《奪われし者》

   《翻弄されぬ者》



   美徳

    《義》


   悪徳

    《傲慢》



   復讐対象設定

    なし






こんな感じ。


「あっの、邪神ヤロウ……!!」


 首輪も《鑑定》出来たのだが、原因はこれだった。




   凄絶に呪われた首輪:《神》により懇切丁寧に呪われた首輪。

            装備中に、対象の特定のスキル、称号、能力の一部を失わせる。

            また、ステータスを低下させる。

    解呪方法:閲覧条件を満たしていません。




 しっかりがっつり呪われていた。凄絶に懇切丁寧に呪われていた。


「や冗談じゃないよコレ」


 ステータスは亜人状態でも、SPDとINT以外が10分の1。魔化もできない。邪眼系のスキルをはじめ、他のスキルもいくつか失っている。


 狩りの時に違和感はあった。いつもより力が出てないんじゃないかと。亜人状態で戦ったことがなかったので、魔族の感覚に比べて弱いのかと思ったけれど、10分の1だ。気付かなかった僕がどうかしている。


 POWだけでなく、HPもDEFも10分の1ということは《多頭の邪蛇》の時に比べてさえ、かなり死にやすくなっている。


 強くなるのが楽しかったのもあるけど、死にたくないから強くなったのが最初だったのに。


「……ただ、利用もできる、かな?」


 僕はタマソン村では、亜人として生きている。魔物になるつもりもないし、邪眼やらの持っていたらおかしいスキルを使って、怪しまれることさえ避けなければならない。


 暇つぶしに我と話すことが出来ないが、最近はヒジカやイッサさん、ソージだけでなく、村のみんなと仲良くなって、話し相手には不足しない。そもそもは我も僕も意思は違うようで同じだから、自慰みたいに僕と我で自問自答する必要もないのだ。


 いつかは解決しなければいけないだろうが、外す方法もわからないので、とりあえずは保留にしておく。


「今度会った時には、邪神に文句も言ってやるとしよう」


 気づいた時には沸騰しそうなほど怒りはしたが、ある風景が思い浮かんで、つい顔が緩んでしまった。それをちょっと後悔して顔を引き締めた。


 ヒジカとイッサさんと、ソージ君と、一緒に強くなっていく。苦労もしながら、お互いの命を守りながら。


 ――ちょっと……、すごく楽しそうじゃん。


「おーい、何をブツブツ言っているんですかな?」


 隣のイッサさんが声で、我に返った。間近で見ると顎肉がヒドい。


「んーん、何でもないよ」


 そう返して、引き気味に微笑む。


 そして、もう沸々と沸いていた欲求は具体的に自覚できていた。そのことに意識。イッサさんとソージ君の改造だ。



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