【亜人編】■■■はゴーゴンの少年になった。

第52話《ゴーゴンの少年》




  《ゴーゴンの少年 ♂》


   ステータス

    LV 1

     HP  3250

     MP   500

     POW  400

     DEF  400

     SPD  350

     MAG  300

     INT  400

     LUC  ???


     【魔化100%時】


       HP  12000

       MP   1500

       POW  1200

       DEF   800

       SPD   300

       MAG   300

       INT   400

       LUC   ???



   状態

    空腹


   スキル

   《魔度調整》NEW!

   《魔炎の邪眼LV1》

   《恐怖の邪眼LV2》

   《麻痺の邪眼LV2》

   《石化の邪眼LV1》NEW!

   《瞬身LV1》

   《持久LV5》

   《突貫LV4》

   《破砕牙LV4》

   《握撃LV4》

   《締め付けるLV5》

   《突き刺すLV4》

   《蛇毒牙LV3》

   《薙ぎ払うLV5》

   《頭突きLV3》

   《押し潰すLV3》

   《隠密LV6》

   《稲妻蹴り》

   《鑑定LV1》

   《丸呑みLV5》

   《演算処理LV9》

   《眼力LV10》

   《威圧LV1》

   《暗視LV7》

   《引っ掻きLV7》

   《毒爪LV6》

   《察知LV9》

   《体液操作LV4》

   《思考加速LV4》

   《並列意思LV2》

   《念話LV10》

   《空中戦LV5》

   《統率者LV6》


    パッシブSKILL

     《超直観》

     《勇者適正》

     《戦闘の天才》

     《武器技能適正》

     《魔術技能適正》

     《輝く英雄性》

     《精力絶倫》

     《第三の目》

     《観察力》

     《器用な指先》

     《滑かな舌》

     《淫蕩の血》

     《身体操作》

     《感情操作》

     《逆境〇》

     《絶対の復讐》

     《陽の当らぬ闇》

     《武道の素養》

     《驚異の集中力》

     《恵体》

     《強力》

     《強固》

     《回避》

     《命中》

     《粘着耐性LV10》

     《蜘蛛粘着耐性LV3》

     《恐慌耐性LV1》NEW!

     《毒耐性LV10》

     《蜘蛛毒耐性LV4》

     《痛覚軽減LV9》

     《苦痛耐性LV9》

     《大食LV2》

     《南の森の知恵LV3》

     《冒涜LV4》NEW!



    成長スキル

     《神の約束した克服》

     《焦土の吸収力》

     《果て無き成長》

     《無限の度量》

     《消化吸収能力LV8》


    パーティスキル

     《はさみ撃ち》

     《箒とちり取り》


   称号

   《蛇の支配者》

   《分析者》

   《抗う者》

   《切ない旅人》

   《覆う者》

   《情恐き者》

   《報いる者》

   《深き闇の者》

   《神を欺く者》

   《善悪に愛されし者》

   《武を愛する者》

   《与えられた者》

   《奪われし者》

   《翻弄されぬ者》

   《転生者》

   《共食い》

   《親殺し》

   《母殺し》


   美徳

    《義》


   悪徳

    《傲慢》


   復讐対象設定

    なし





「ゴーゴンの少年……かぁ」


 腕や腹の細さからして、少年だろうとは思ってた。だいたい、10歳くらいかな?


 相棒も幼女だったしね。ていうか僕、多分生後1ヶ月も経ってないし。


 ステータスの【魔化100%時】のとこも気になるが……。


 ゴーゴン。相棒と同じく、神話関係者だろう。例によって詳しくないんだけど。


 確か、髪の毛って蛇じゃなかったっけ?


 そう思って、さらさらの白い髪の毛を手に取る。


 ふわふわとしたその軽さは蛇とは思えないが……、


「うん……。蛇だね、この子たち」


蛇だった。髪の毛レベルまで細いが、目や口はあるようだ。小さすぎて、僕以外にはわからないだろう。


 どうやら毛根から栄養を摂取しているようなので、餌をやる必要はない感覚がある。


 水は必要っぽいが、シャンプーは逆によくなさそうだ。シャンプーなんてものがあればだけど。


 鏡はないので、自分の顔が見えない。


 基本的に姿形は人間と変わらなさそうだが、邪眼の『我』があると、人間生活で支障をきたすかもしれない。


 ――『僕』よ。


「何? 『我』」


 ――《魔化調整0%》で表面上消すことはできるようだ。


「了解」


 体の一部に意識を没入させている『我』は、僕よりも体の感覚がわかるようだ。


 本能か《超直観》か、0%から100%までを選べばいいのだとわかる。


「とりあえず《魔化100%》」


 身体がギュンと伸びる感覚があってすぐ、相棒が張った《蜘蛛巣》の天井を突き抜けた。


 そのまま森の枝葉の上に頭が出る。


「う、お」


 蛇だ。我。


「どうやら100%だと、完全に魔物に戻るらしいな」


 また五頭の大蛇になったが、サイズがまた大きくなっておる。人型の色覚は残るようで、己の姿も見られる、真っ白だが、それぞれの頭に一、二枚の黒い鱗があった。角は失ったようだ。


 そして尾は二本から一本になっているが、脚が四本生えておる。体長は尾も合わせれば100メートルほどもありそうだ。


 広大な森を上から見渡す。美しい。あの夕陽も、また見てみたいものだ。これからはいくらでも見れるだろう。


「ぬ、まずいな」


《魔化0%》と念じると、身体が高密度になっていく感覚を味わう。『我』が再び『僕』になっていく。


 すぐに相棒を確認すると、ぶるぶると震えながら涙目になっていた。踏み潰していなくて安心した。


「な、何じゃぁぁあああ!?」


 古傷の戦士は、怯えながらも僕と相棒の間に立ちはだかっている。


 やっぱり、この蜘蛛は格好良い。


「ごめん相棒、僕だよ」


「な、なんじゃ。あいぼーか」


 またけったいな姿になったのぅ、と僕をじろじろと見る。


 全体を見ながら、股間のあたりで眼を止める。


「そんなに凝視されると困るんだけど」


 僕が苦笑いすると、相棒は両手を顔の前にやって隠す。


 指をガッツリ開きながら赤面して、


「アレがあいぼーの、愛棒」


などと言っているが、放っておこう。



    《巨根の者》の称号を獲得した!



 天の声おまえもお前でうるさいな。


「《魔化40%》」


 身体がぐぐぐ、と伸びる。 


 上半身は人、下半身は蛇の、相棒と似た姿になった。


 大きさは体長10メートルといったところか。上半身は変わらないが、尾がかなり長い。


 身体が鱗に覆われているし、腕も魔物として太くなっている。ぺたぺたと顔を触ってみたが、顔立ちは変わらないようだ。


 ステータスも鱗や太さの分、高いだろう。どうやら魔化するだけステータスは上がるようだ。


 徐々に試していくと、魔化10%では腕や腹、頬に鱗がうっすらと出てくるみたいだ。40%では《第三の目》は表出したけど、10%では出なかった。


「ほー。面白いことになってんなぁ」


 相棒が幼女の手でぺたぺたと鱗を触る。


 頬を触るのはいいけど、股間から目を離そうよ。



    《魅了の邪眼LV1》を獲得した!



 天の声こいつもこいつで何言ってんだ。


 ふざけてるのかと思って確認したが、本当に獲得していた。世界が悪ふざけをしている。


「……ありがとう。相棒」


 気を取り直して、相棒に言う。


 言っても視線を下から外さないので、両頬を手で挟んで僕の顔へ向ける。言い直す。


「ありがとう。相棒」


 相棒はコロコロと表情を変えたが、やっと白と黒が逆転した目を、僕の下半身から顔に向けた。


「君がいなきゃ、ここまで来れなかったよ」


 相棒はまた上下左右に視線を動かしたが、最後は僕の眼をまっすぐに見てくる。


「そんなん……、ウチもや」


 僕は笑う。


「また会おう。お互い、さらに強くなって」


「せやな……。もう、行くんか?」


「……うん」


「なぁ……、あいぼー?」


「うん?」


 相棒は目を閉じて、何度か大きく息を吐いて大きく吸ってを、繰り返した。


 それを見ながら、僕は相棒の言葉を待つ。


「最後に、ちゅうして」



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