君が寝てる間に
成瀬 慶
第1話 同僚の結婚式
「今日は、同僚の結婚式だから
二次会へは行かないから」
そう言って
少し不機嫌に
出掛けていった彼女とは
もう三年も付き合っている
俺は、久しぶりに
一人きりの週末を
ソファーに転がり満喫していた
楽しい時間は、あっという間に過ぎて
気が付くと
もう、20時を過ぎていた。
二次会には行かないって言ってたよな…
少し心配しながら
時計を見る
スマホがなる
"ピピピピピッ"
「もしもし」
その声で
酔い具合は分かる
かなり入ってるな…
「ん?」
「同期で飲んでたんだけどね
今から帰る
一緒に飲んでた子が
家遠くて
乗り継ぎがもう無理みたい…
だから、連れて帰るから」
彼女はかなり酔っているようで
一方的に話し
電話を切った
俺は
部屋を適当に片す
ま、明日も休みだしな
妙な納得のしかたは
いつもの事だ
彼女とは飲み会で知り合った
その時
俺は、失恋して間もなくて
気乗りはしていなかったのだけど
新入社員だったし
強引な先輩の誘いを断りきれず
その飲み会へ参加した
彼女は
先輩の彼女の会社の後輩で
俺と同じ年齢だけど
既に社会人二年目
気の強さも味方して
俺よりも
ずっと大人に見えた
その飲み会では
一番年下の俺は
盛り上げなければ!と
張り切りすぎたのか?
早々酔いつぶれ
めが覚めたときには
彼女とホテルにいた
覚えていないけど
俺が、強引に誘ったらしい
覚えていないけど
そして、あれよあれよと言う間に
同棲を始めていた
今となっては
良かったと思う
気が強いくせに
幼い顔つきだから
憎めないし
夜になると
甘えた感じになるところも
気に入っている
"ガチャガチャ"
ドアが雑に開く音
帰ってきた
俺は、玄関まで迎えに行く
「ただいま」
目が充血していて
顔が赤い
そんな彼女を支えるように
連れてきたのが
「どうも…」
小さな声で挨拶
「どうも…」
彼女の同僚も
同じように挨拶する
「彼女、中西 さくら さん
会社の同僚
今日、泊めるから」
彼女が紹介し
また、俺たちは頭を下げる
はじめての顔で
彼女の同僚は
昔の彼女だった
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