血のついたナイフには、俺の顔と女子高生の目が映る。

ロキ

プロローグ ナイフと女子高生

ぐちゃ、ナイフに伝わる肉を切るように感触。

一般人でも体感したことのある感触。筋肉のような固いところにナイフが刺さる。

漫画の世界では、ナイフを筋肉で止めたりなんてこともあるが現実では無情にも突き刺さる。

「殺すな、殺すな」泣きわめく小太りの中年男性。その顔は、見るに堪えないほどにぐちゃぐちゃでいい年になっても見たくないものの一つだった。

「贖罪をしなかった、自分自身を悔め」

喉に一気にナイフを突き刺す。がっ、それが彼のはなった最後の一言だった。

俺はその場でナイフを抜き、立ち上がる。

血の付いたナイフを顔の前まで持ち上げる。

ナイフは、いつもの俺の顔と女子高生の姿があった。

俺は勢いよくナイフを後ろに切りかかり、女子高生の首に充てる。

「誰にも言うな」

「わかったし、何でもしてあげるから、家泊めて」

女子高生は普通の声で話す。目の前には三人の無残な死体があるというのにだ。

「拒否する。」

「だったら、今のを動画付きで警察に通報する」

「できねーだろ、そんなこと」

「ニュース見た?動画と、文章だけだ通報できるシステムがはじっまたんだよ?」

俺はニュースを見ないので、知らない。

だが、ここで通報されると一生豚箱か、死刑だ。

「わっかた。ついてこい。」

「やったー!」女子高生は嬉しそうにしている。

俺は死体の近くにキスツスの花を置く。

「なんで花なんかおいてんの?」女子高生は悪気もないように聞く。

「なんとなくだ。なんとなく。」

「早く家に戻るぞ。」

「はーい」女子高生は口をトンがらせながら、ついてくる。まったくめんどうなことに巻き込まれた。

俺は死体をあとにし、女子高生と出会った。

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