1年が経った
去年の春、大好きだった両親を亡くして孤児になった私ですが、周りのみんなに助けられながら、何とか一年を過ごしました。
今思うと、当初はかなりおかしくなりかけてた。
思い出いっぱいの自宅から逃げ出して危険の多い街の外で一人暮らしを始めちゃうなんて、無謀もいいとこだよね。
そんな私を気遣ってくれたみんな、ほんと感謝してます。
特にソード君。
ほぼ毎日会いに来てくれて、おかしな方向に突き抜けかけてる私に付き合ってくれた。
『前世の記憶を使えば乗り切れる』なんて根拠の無い自信で突っ走ろうとしてたけど、君がいなかったら、多分折れてただろうな。
ありがとうね、ソード君。
そんな恩人のソード君から諭され、私、反省しました。
この一年間での私の『やらかし』、自分で振り返ってみても多すぎだね。
自分では普通にしてるつもりだったんだけど、今思うと何かから逃れようと必死になってた気がする。
前世で有ったものやそれに近いものを作って身近に置くことで、前世で大人だった感覚を呼び起こそうとしてたのかも。
『大人なら悲しみに耐えられるはず』って、この考え自体、子供だよね。
大人でも子供でも、悲しいのは一緒じゃん。
耐えて前に進むしかないんだ。
自覚したよ。
私は両親を亡くした悲しみから逃れようともがいて、駄々をこねてた子供だ。
周りのみんな、特にソード君にはすっごい迷惑かけちゃったな。
ちょっとずつ恩返ししていこう。
薬師を止めるわけじゃないけど、魔学研究所の講師とかなら手伝えるかな。
一応私もマイスターだし。
レベル13だから魔力もりもり、変換水晶もいっぱい作れるしね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます