同じ心が泣いている

月の疲れた夜

雨は上がり

忘れられた傘

語りかける勇気すら

置き去りにされて


アスファルトの上

滲むヘッドライト

光の残滓が

微睡んでも

街はまだ眠らない


おやすみを言う相手もいない


今日一日の

嘘と欺瞞と

エゴとプライド

袋に入れてもらえますか

有料でも構いません

温めてもらえますか

どうせすぐに冷めてしまうけど


けれど


また破れた

綻びだらけの夢にくるまって

眠れない夜を

ひとり過ごしたって

こぼれた涙が頬を伝ったって


大丈夫


明日になれば


きっと大丈夫


悲しいことを見て、聞いて

その同じ目で、耳で

嬉しいことを見て、聞いている


さみしいと感じる心が

君が傍にいて、幸せだって感じてるんだ


愛してるよ

だってこんなに

こんなにも君を想うと、切なくなるから


悲しいときに泣けるのは

嬉しいときに涙を流せるためなんだ


悲し涙も

嬉し涙も

同じ心が泣いている


同じ瞳から溢れてくる



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