詩集 鏡箱

微笑むような優しさと共に

時間に追われて忙しかったら

たまには時計の針を止めたらいい

そして、息つく暇もなければ

たまには一息つけばいい

一人で荷物を持つのが重たくなったら

たまには荷物をおろせばいい

負けず嫌いがしんどかったら

たまには勝ちを譲ればいい

言い争いが絶えなければ

たまには言い争わなければいい

人の視線が気になって仕方なければ

たまには誰とも会わなければいい

人の言うことが気になって仕方ないなら

たまには耳をふさげばいい

あまりにも目を背けたいことが多すぎるなら

しばらく目を閉じていればいい

優しい気持ちで自分が傷ついてしまうなら

いっそ残酷になってしまえばいい

どうしようもなく悲しい気持ちになったら

ときにはとことん落ち込めばいい

やるせない気持ちで一杯になったら

誰かに愚痴をこぼしたっていい

なぜだか涙があふれて仕方ないなら

たまには好きなだけ泣けばいい

口の中までしょっぱくなって

甘いお菓子が食べたくなったら

たまには自分にご褒美をあげたらいい

天気が続いて草花がしおれてきたら

たまには雨が降る日もいい

雨の日が続いて憂鬱になったら

やまない雨はないから気にしなくていい

やがて雨がやんで

心に虹が差したら

目を開いて

耳を澄ませて

思いきり息を吸って

もう一度勇気を背負って

また歩き出せばいい

道端の花にも

微笑むような優しさと共に

それでも心が痛くてしょうがなかったら

たまには人に甘えたらいい

眠れない夜があったら

ここでおやすみ

君の歩くその先で

僕は待ってる

未来で待ってる

さあもう一度

時計の針を動かそう