ミドルバトル2:副隊長オルドン

カザリ:はい! 突撃の際に〈獣変貌〉しておいていいですか!


GM:まあ、よしとしましょう。では戦闘開始の前に、奥の魔剣に関して<セージ知識判定>を振ってもらいます。


ラス:15!


ケルル:8!


カザリ:平目で6!


アンヘル:平目の7。


メガ・ドラ:平目の9!


GM:では以下のことが判明します。

――――

知名度:11

武器名:氷剣グレシャール(暴走状態)

用法:2H

必筋:25(40)

威力:46(30)

命中:-

追加D:+1(-1)

価格:50,000ガメル

ランク:ソード/S

備考:担い手を選ぶ、意思持つ魔剣です。担い手以外が使おうとすると著しく能力が下がります。周囲一帯を氷原に変えるほどの冷気を放つことができます。現在、魔動機に接続されたことにより暴走状態にあります。

効果:暴走状態“雪姫の慟哭”:ラウンドの終わりに、『半径30M』以内の『全てのキャラクター』に『抵抗:精神抵抗力/11(18)/消滅』で『1d6点』の魔法ダメージを与えます。

――――


ケルル:ふむ。『氷属性強化』しようか?


カザリ:やめなさい(笑) 自分が精神抵抗高いからって! 前衛がもれなく死ぬ!


GM:それでは戦闘に入ります。まずは『戦闘準備』!


ケルル:〈バークメイル〉Aランクをカザリ、アンヘル、メガ・ドラに使用! 防護点+2点!


GM:それでは敵側は、ゴーレムが人族の男を〈かば〉います。そして人族の男は「来い!」と叫びます。が、あなた方の周りで変化は起きません。


カザリ:これはあれだな、時間経過で後ろから来る奴だ。


ケルル:言うて敵は2体、瞬殺してから迎え撃てるだろ。


GM:続いて<魔物知識判定>をどうぞ。


 が、ここでラスが10(3と1の出目)、ケルルが8を出し、敵の名前さえわからない状況に。


ケルル:ら、ラスくん! 運命変転使おう!


ラス:使います! これで出目は17!


GM:ふむ、ならば弱点まで判明することでしょう。


 ここでGMがミスしてしまい、1回の判定で敵2体の両方のデータが判明した、と勘違いして開示してしまいました。

 そういうわけで、ストーンサーバント(ゴーレム)と人族の男オルドン(コンジャラー8)の情報をPLたちはゲットしました。

――――

名前 :オルドン レベル:8

知能 :人間並み 知覚 :五感

反応 :敵対的  穢れ :

言語 :共通語、蛮族語

生息地:ロヴェス

知名度:11/‐

弱点 :なし

先制値:12 移動速度:12

生命抵抗力:9(16) 精神抵抗力:10(17)


攻撃方法:杖 命中力:9(16)

打撃点:2d+4 回避力:9(16)

防護点:5

HP:47 MP:44


特殊能力:

>操霊魔法8レベル/魔力10(17)


〇Λ魔法適正:《ターゲッティング》《魔法拡大/すべて》を習得している。


〇剣の加護/運命変転:出目をひっくり返し、更に「+1」する。1日1回のみ。

====

名前 :ストーンサーバント レベル:5

知能 :命令を聞く 知覚 :魔法

反応 : 穢れ :

言語 :

生息地:

知名度:11/15

弱点 :命中力+1

先制値:13 移動速度:18

生命抵抗力:13(20) 精神抵抗力:10(17)


攻撃方法:拳 命中力:8+2(15+2)

打撃点:2d+6  回避力:6(13)

防護点:7

HP:60 MP:


特殊能力:

〇石の身体:刃武器からクリティカルを受けない。純エネルギー属性以外の魔法からクリティカルを受けない。

>二回攻撃:同じ対象に二回攻撃を行う。

Λ狙い打ち:命中力+2、打撃点‐4で判定する。

Λ△かばうⅡ:味方への攻撃を代わりに受ける。宣言時に宣言回数にカウントしない。

〇ガーディアンⅠ:複数も対象に、延べ3回まで<かばう>を行える。

〇ブロッキング:戦闘離脱・移動妨害の際に、自身を2人分のキャラクター数として扱う。

――――


カザリ:なるほど、〈ブロッキング〉と〈ガーディアン〉持ちのゴーレムなのね。


ケルル:オルドンはコンジャラー8か。


GM:では続いて先制力判定。敵の先制値は13です。


ケルル:13!


カザリ:12!


アンヘル:13!


GM:同値なのでそちらの先制です。


ケルル:あぶねー!


 冒険者レベルを上げて戦闘特技を欲しがるあまり、スカウトやセージをおろそかにした弊害がここに……。

 それはさておき、配置です。

 ラスが最後衛、その前にケルル。ケルルの眼前にカザリが立ち、その左右にメガ・ドラ、アンヘルがいます。

 前衛たちから6メートル離れた前方にストーンサーバント。それに庇われるオルドンは同じ座標に居るものとします。


ケルル:今回の作戦だけどさ、〈ファイアボール〉ならストサバもオルドンもまとめてぶっ飛ばせるんじゃない? 〈ライトニング〉だと巻き込むかどうか二分の一になっちゃうし。『炎属性強化』でアンヘルのひょっとこも強化できるしさ。


ラス:それでいきましょう。


アンヘル:これはひどい。


ケルル:そうと決まれば最初に行動するのは私だ。まず補助動作で隣接しているカザリに〈クリティカルレイ〉Aランクをぶち込みます。それから<呪歌演奏判定>で1ゾロじゃないので成功、〈アトリビュート〉『炎属性強化』+6点!


ラス:そんで俺が〈ファイアボール〉をストーンサーバントとオルドンに撃ちます。<魔法行使判定>! うっ、14か。

ラス:MP27→19


GM:その出目では両者に抵抗されますね。半減ダメージをどうぞ。


ラス:両方とも14点です。


GM:強化やばすぎ!


ストーンサーバント:HP60→46

オルドン:HP47→33


カザリ:これオルドンに攻撃しに行くと……


GM:ストサバに移動阻害され、ストサバと乱戦エリアを構築してもらいます。


カザリ:座標重なってるからなぁ。仕方ない。じゃあストサバに接近して〈投げ〉ます。命中は20!


GM:命中です。ダメージをどうぞ。


カザリ:15点で、〈獣変貌〉込みで17点!


GM:防護点7点を加味して、ストサバに10点のダメージ!


ストサバ:HP46→36


カザリ:〈投げ〉に成功したので〈踏みつけ〉! 命中は15!


GM:命中です、ダメージ!


カザリ:おっと1回転! 26点です! つまり19点のダメージ!


ストサバ:HP36→17


アンヘル:つえー!


メガ・ドラ:それじゃ次は俺が。ガングレットでストサバをぶん殴る! ……10! 外れたぁ!


アンヘル:ドンマイ。それでは近づいて補助動作で〈火吹き男の面〉でファイア! まず抵抗されるかの判定、15!


GM:それは抵抗されましたね。半減ダメージです。


アンヘル:5に+6で11点!


ストサバ:HP17→6


アンヘル:そして主動作で〈フォース〉を……


GM:いや、あなたは〈通常移動〉で接敵してるので、〈制限移動〉でなくてはならない神聖魔法は使用できません。


アンヘル:おっと、うっかり。それじゃヘビーアックスでぶん殴ります。……1ゾロかよ!


GM:お疲れ様です(笑) ごじってーん。


GM:それでは敵の手番です。まずオルドンから。こいつは、うん、乱戦状態ではないので12メートル後退します。


アンヘル:離脱する気か!?


ケルル:いや、室内だし隠し扉でもない限り後退しただけなら逃げられない、はず。


カザリ:まさかローレッタさんを人質にする気か?


GM:そしてストサバ。カザリを狙って、〈狙い打ち〉を宣言します。命中力は15です、回避をどうぞ。


カザリ:15です。同値なので回避。


GM:〈二回攻撃〉により、同じ相手にもう一度攻撃します。今度の命中力は13です。


カザリ:19です、余裕!


GM:では全員の手番が終了しました。〈氷剣グレシャール〉の吹雪が全員を襲います。目標値18に対する精神抵抗力をどうぞ!


アンヘル:17、おしい!


カザリ:18、よし!


メガ・ドラ:15! 無理!


ラス:15、くそおー!


ケルル:22、基準値11は余裕なんだなぁ。


GM:ではそれぞれのダメージです。アンヘルに5点、ラスに3点、メガ・ドラに6点!


アンヘル:HP44→39

ラス:HP37→34

メガ・ドラ:HP43→37


GM:そして敵も抵抗失敗でダメージ。ストサバに6点、オルドンに6点……ストサバ逝ったー!


ストサバ:HP6→0

オルドン:HP33→27


ケルル:ナイス、グレシャール!


 ステージギミックで敵が死ぬ……あるあるすぎて涙が出そうです。


GM:それでは第2ラウンド、あなたたちの行動です――の前に、イベントです。


 君たちが押し入ってきた扉、それが勢い良く打ち砕かれ、ソイツ・・・は雪崩れ込んできた。

 1Gにもならなそうなゴミやガラクタが寄り集まり、明確な敵意を以て形を成している。

 そんな明らかな魔法生物が、背後から後衛に迫る!


カザリ:来い、ってこいつか! あの部屋の!


アンヘル:なるほどなぁ。


GM:それでは<魔物知識判定>をどうぞ。


ケルル:12。


ラス:うっ、10。


GM:……それだとなんにもわかりませんね。


カザリ:えっ、名前も?


GM:はい。


ラス:今日の俺の出目はだめかもしれない。


 唯一セージ3の彼でダメならもう何もわかりません(笑)


GM:では謎のガラクタが背後、最後尾のラスと3メートルの距離に出現してあなたがたの手番です。


カザリ:よかった、攻撃は流石に後回しか。


ケルル:いや、先制とられてたらそのまま攻撃されてたな。まあ、何はともあれこの状況ならガン逃げでいける。


カザリ:俺がオルドン倒しに行って、それからアンヘルかメガ・ドラが追撃か後退か判断する感じでいい?


アンヘル:承知。


カザリ:それじゃあオルドンに接敵します、12メートルは射程圏内! 〈投げ〉の達成値は19!


GM:避けられるわけないだろ!


カザリ:ダメージは14! 防護点は5みたいだから9点ダメージか。


オルドン:HP27→18


カザリ:追撃の〈踏みつけ〉! うっ13はどうだ?


GM:転倒デバフ込みで回避力は14、回避です。


メガ・ドラ:それなら俺は追撃で。ガングレットを喰らえ! ……10! あたんなーい!


ケルル:ま、しょーがない。全力移動が72メートルなので、アンヘルの真後ろまで移動します。


ラス:同じく全力移動が52メートルあるのでアンヘルの後ろに。


アンヘル:ラス2回、ケルル1回〈かば〉ってターンエンド。


GM:ではオルドンの行動。〈アース・ヒール〉で自分を回復。……12点の回復です。


オルドン:HP18→30


GM:そしてガラクタは、アンヘルに向かって進撃! 2メートル届かず、行動終了です。


ケルル:よし、作戦どおり。


GM:では〈グレシャール〉の吹雪。精神抵抗力目標値18でどうぞ!


カザリ:14! ぬわー!


ケルル:21。よゆー。


アンヘル:12。ダメです。


ラス:14。えー!


メガ・ドラ:11。ムリムリ。


GM:ではダメージ。カザリ6点、アンヘル1点、ラス5点、メガ・ドラ3点! オルドンに2点、ガラクタの山に2点!


カザリ:HP39→33

アンヘル:HP39→38

ラス:HP34→29

メガ・ドラ:HP37→34


オルドン:HP30→28

ガラクタの山:HP??→??


ケルル:それでこっちの番だな。安全確保したし、オルドン潰そう。〈アトリビュート〉で『風属性強化』!


カザリ:それじゃ、風属性を起動して、〈マッスルベアー〉を発動! そのまま〈投げ〉て命中は17! ダメージは防護点計算して20点!


オルドン:HP28→8


カザリ:さらに追撃! 命中は19で命中! ダメージは、21点だ!


オルドン:HP8→-13


GM:オルドンは地面に叩きつけられ、動かなくなります。生死判定! 14! 命は落とさなかったようです。


ケルル:ほう、これは都合がいい(ニヤ)。


GM:さらに、あなた方の背後で動いていたガラクタの山も、機能を停止したように動かなくなります。よって戦闘終了です!


アンヘル:そういう感じか。ま、オルドンは先潰してよかったってことか。


 敵から剥ぎ取りを行い、オルドンから枷の鍵を入手。

 その間、手の空いていたカザリは倒れている女性の様子を見ました。


GM:彼女は深い昏睡状態にあるようで、揺すったりした程度では起きないようです。


カザリ:ふむ。それじゃあ、女性の枷を外してオルドンに装着させます。さらに縄を噛ませたうえでぐるぐる巻きにしとこう。


ケルル:そして私の出番だな。〈アーリーバード〉を演奏! 寝ている奴はこれで起きる! 達成値は19!


GM:ほう。では、女性は目覚めます。ついでにオルドンも。「うっ、ここは一体……」


ケルル:「起きた? とりあえず魔剣抑えて!」


GM:「え、あ、はい」と女性は魔剣を機械から引っこ抜いてくれます。魔剣の冷気は収まりました。


GM/ローレッタ:「私はローレッタ。誰かは知らないが、助けてくれてありがとう。……そうだ、今は何日だ!?」


カザリ:おおう。とりあえず、我々のことと、現状、そして日付を教えておきます。


GM/ローレッタ:「なんてことだ……ヒルダが行動を起こしてしまう! 急がないと!」


アンヘル:え?


カザリ:え? ヒルダつった?


GM/ローレッタ:「ハイエースの諸君、君たちが街の外に出ることこそ、ヒルダの狙いだったんだ。今のロヴェスに君たち以上の強者は居ない、その瞬間を狙って、ヒルダはロヴェスを攻撃し、列車を奪うつもりだ」


ケルル:黒幕は領主様だったかー。


GM/ローレッタ:「ヒルダはハーヴェスへの復讐をするための第一歩としてロヴェスを潰すつもりだ。私はその手助けを求められたが、断った。まあ、背後から蛮族の奇襲を受けてこのザマだが……恥を忍んで頼みたい、ヒルダを止めることに協力してくれ!」


カザリ:「まさか領主様が犯人だったとは……」


アンヘル:オルドンは? こいつ何?


GM/ローレッタ:「オルドンもヒルダと同じくロヴェスの崩壊を望んで協力しているのだろう」


カザリ:なるほどね。とりあえず起きたこいつはもっかい気絶させとこう。ゲシッ。


GM:オルドンは気絶しました。


ケルル:「ところで協力の報酬は?」


アンヘル:「グラスランナーがよぉ!」


ケルル:「先立つものは必要なんだよ! アルケミストにはぁ!」


アンヘル:「ならば私のように身体を鍛えるといい。肉体こそ最高の資本だ」


ケルル:「筋力1にどうしろってんだ! バーカ!」


GM/ローレッタ:(笑)「もちろん私の私財から報酬は出させてもらう。具体的な額は後で頼む、今は一刻を争うんだ。当然、ウソではないと我が神ライフォスとこのグレシャールに誓おう」


ケルル:「ならよし、急ごうか」


GM:はい、では、ローレッタを加えたハイエース一行は、ロヴェスに急いで戻ります。


 ローレッタの話を受け、急いで遺跡を飛び出す一行。

 時刻は15時を過ぎ、夕方に迫ろうとしていた。

 だがしかし、まだ空は青くあるべきなのに――赤い。

 正確には、ロヴェスの方面の空だけが。

 森を抜けた一行が見たものは、火の手が上がり、紅蓮の災禍に襲われる街。

 ロヴェスの崩壊は、既に始まっていた。

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