探索3:東の魔動機文明遺跡
GM:それでは、【ハイエース】の皆さんは東の森の遺跡へ向かうということでよろしいですね?
ケルル:あ、その前に領主ヒルダへの手紙をしたためて近くの衛兵に届けさせるよう頼んでいい?
GM:構わないけど内容は?
ケルル:「これから東の遺跡に行きます。夜までに戻るつもりだけど、一日戻らなかったりしたら増援よろ。あと、魔動機械があなた対策だと思われるので一人で戦おうとしないでね」って。
GM:なるほど。ではその手紙は衛兵がきちんと届けてくれることでしょう。
ケルル:よし、これで変な真似はせんやろ。単独行動とか単独行動とか単独行動とか。
露骨に「NPCがやられる理由」を潰してくるスタイル。
熟練プレイヤーならではのシナリオに対する「読み」といったところでしょうか。
GM:それでは街の外へ出ます。地図を貰っているので、遺跡へはまっすぐ向かえます。それと同時に気付くこととして、森から街へ向かう蛮族らしき足跡がたくさんあります。それを遡る形で、遺跡へ向かうことになります。
足跡と共に森を進み、やがて冒険者たちは地下へと続く遺跡の入り口に辿り着きます。
入り口周辺には真新しい蛮族の足跡が見られ、それは遺跡入ってすぐ右にぽっかりと開いた穴に続いていることまでわかります。
GM:ここで<スカウト観察判定>をどうぞ。
カザリ:13!
ケルル:15。
アンヘル:7……。
GM:ではカザリとケルルは、出て行く足跡が最も新しく、入っていく足跡はそれより古いものばかりとわかります。
ケルル:その中に人族の足跡はある?
GM:ふむ、ケルルの達成値ならわかって構いません。入っていく人族の足跡が一つ存在します。
ケルル:出て行っていない、と。囚われか、協力者か。とりあえず入るか。
GM:はい。それでは遺跡内部の地図を表示します。
例によって画像掲載はできないので、簡易的に表示します。スマホ版の方はやはりごめんなさい。
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__扉__
| ___ |
扉| |扉
|| ||
扉|_扉_|扉
| |
 ̄入り口 ̄
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「ロ」の字の廊下となっており、かがり火が焚かれて中は明るい。
入って正面に『大きな扉』が一つ。
左右の廊下には『扉』が二つずつの四つ。
そして最奥の廊下には『大きな扉』が一つ。
左右四つの扉のうち、手前二つは半開きとなっている。
カザリ:この、半開きの扉って入り口の位置から中見えない?
GM:見えてもおかしくないですね。左右の両方とも、何かの気配は存在せず、寝袋やゴザが敷かれている部屋だとわかります。
カザリ:寝床か? とりあえず二手に分かれてみてみようか。
アンヘル:後衛二人と俺で行くか。タンクだし。
カザリ:じゃあ俺はメガ・ドラとね。左の半開きの部屋に入ります。
GM:ではカザリとメガ・ドラの二人はその部屋に入ります。中には誰も居ません。<スカウト観察>または<冒険者Lv+器用B>で判定をどうぞ。
この<冒険者Lv+器用B>での判定は、〈スカウト〉技能を持たないPCが、探索時にダイスを振る場面でつまらなくならないように、と用意した判定です。
ただし、〈スカウト〉による判定に比べて目標値を高く設定しており、公平性を保とうとはしています。
カザリ:スカウトで。15!
メガ・ドラ:器用Bで。うーん、10。
GM:ではカザリは『魔晶石(3点分)*2』を入手します。
続くアンヘル、ケルル、ラスの三人が入った部屋も無人で、探索の結果、ラスが『魔晶石(3点分)*2』を入手します。
アンヘル:もぬけの殻か。居ないのは結構だけど、どこいった?
ケルル:森に展開してるとか? まあ、一回集まって入り口正面の『大扉』開けようぜ。
GM:はい、正面の扉に鍵はかかっていないようです。
カザリ:開けまーす。アンヘルが。
アンヘル:おおう。じゃあ開けます。
GM:では何事もなく開けると、そこには見覚えのある杭のような魔動機械が山のように積まれている大部屋でした。ただし、どれも壊れているようです。
ケルル:廃品置き場か。あされあされー!
GM:では漁るなら先ほどと同じ判定をどうぞ。
カザリ:スカウトで13!
ケルル:器用Bで18!
ラス:器用Bで20、てか6ゾロ!
アンヘル:スカウトで11。
メガ・ドラ:うーん、器用Bで13。
GM:では、『粗悪な魔動部品(150G/黒白 A)*15』を入手します。
ケルル:ヒュー!
カザリ:ここはこんだけか。ただの機械置場、ってか、やっぱり出どころはここだったのね。
アンヘル:まあわかってたことでしょ。
カザリ:せやな。じゃあ、また二手に分かれて左右の奥側の扉をそれぞれ調べます。編成はさっきと一緒で。
GM:了解です。
アンヘル、ケルル、ラスの三人組が調べた右奥の部屋は、先ほどと同じもぬけの殻の寝床でした。
ここでもラスが『魔晶石(3点分)*2』を入手します。
GM:一方のカザリ、メガ・ドラの部屋です。鍵はかかっていません。
メガ・ドラ:開けまーす。
GM:そこにはやはり誰もおらず、ゴザや寝袋が散乱しています。が、少し変わった点として、ガラクタが部屋の隅で山になっています。
カザリ:ほう。
GM:注意深く見てみればわかることですが、それらは1Gにもならないクズばかりです。
アンヘル:ゴミ捨て場かな?
カザリ:まあ、とりあえず探索します。スカウトで。……1ゾロ!
メガ・ドラ:14です。
GM:カザリは50点。メガ・ドラは『魔晶石(3点分)*2』を入手します。
ケルル:それじゃ、奥の大扉前に集合で。
GM:はい。それでは、廊下奥の扉前に五人は集まります。
最後の扉。それだけは、他の部屋の扉と違い、異質な雰囲気を漂わせていました。
まず扉の左右に、見覚えのある杭の魔動機械が、柱の形に加工されて設置されています。
そして扉本体。真っ黒な鋼で出来ていて、表面には5つの手形のような凹みが作られています。
そして中央にドラゴンに見える彫刻が施され、その上に魔動機文明語で文字が刻まれていました。
『我、砂漠を冷やす者。熱砂を呑み、太陽を喰らう邪龍なり。さあ、我が腹を満たして見せよ』(ラス、ケルルが解読)
ケルル:おおっと、謎解きか。
カザリ:え? 邪龍? 封印されてんの? そいつがラスボス?
アンヘル:あり得るな。機械で熱を吸収して封印を、なんてシナリオかも。
ケルル:そうかな。このドラゴンの彫刻のこと言ってるだけじゃない?
カザリ:ふーむ。とりあえず、鍵穴はある?
GM:見当たりません。
カザリ:手形が5つか。ちょうどここには5人だな。怖いけど触ってみる? みんなで。
メガ・ドラ:えー、こわ。
ケルル:サイズはどうなん?
GM:手形のサイズはみんな一緒ですかね。『人間』の成人男性のサイズより少し大きい程度です。
ケルル:グラスランナーにはデカいな。
カザリ:鍵はかかってない?
GM:鍵穴は見当たりませんね。確かめますか?
ケルル:任せろ。開けます。
GM:ではケルルが扉を開けようと触れた瞬間! パリパリパリ、と触った手に氷が纏わりつきます。『2d+3点』の氷属性魔法ダメージです。
ケルル:7。いってー!
ケルル:HP32→25
カザリ:おおっと、魔法か。ラスの出番か?
ラス:なるほど。任せてください。〈ディスペル・マジック〉を行使します。<魔法行使判定>、17!
ラス:MP36→33
GM:ではあなたは扉に向けて〈ディスペル・マジック〉を使いました。傍目には、扉に変化は見当たりません。
ケルル:よし、それじゃ〈救命草〉食べて回復してオープンチャレンジ! まずは回復量……10!
ケルル:HP25→32
ケルル:そんでもって開けまーす!
GM:パリパリと音を立てて手が凍ります。ダメージ!
ケルル:ぐわあー! え、ちょ、14出た(笑)
ケルル:HP32→18
カザリ:達成値17で解除できなかったの? こりゃ仕掛け解かんとだめか。この機械の柱壊したらいけるのか?
ケルル:とりあえずポーションで回復します。8点回復。
ケルル:HP18→26
カザリ:とりあえず柱の破壊を試みたいです。
GM:じゃあ、命中はいらないのでダメージ判定だけどうぞ。
カザリ:んじゃパワーアンクルで蹴ります。……1ゾロぉ!?
GM:ごじってーん。なんの成果も得られません。
メガ・ドラ:じゃあ任せてくださいよ。ガングレットでぶん殴ります。……ダメージは20点!
GM:ではメガ・ドラがガングレットを振り下ろすと、柱に魔法的な障壁が現れ、カキンとはじき返しました。
カザリ:おおっと、こっちにディスペルだったか?
ケルル:……その前に、〈火吹き男の面〉試してみない?
アンヘル:そんなんあったな。
ケルル:〈アトリビュート〉吹いて支援するわ。<呪歌演奏判定>は21。『炎属性強化』でダメージに+6点!
アンヘル:んじゃ、MP3点使って火吹き男の火を吹きます。ダメージは支援込みで11点!
アンヘル:MP35→32
GM:火を吹いたんですね? では、その炎は見る間に左右の機械に吸収されます。そして、扉のドラゴンの彫刻が僅かに赤くなります。
カザリ:あー、なるほどね。炎を食わせればいいと。
アンヘル:んじゃもう一発。ダメージは14点。
アンヘル:MP32→29
GM:すると、ドラゴンの彫刻は半分が赤くなりました。
カザリ:あと半分か。
ラス:それなら、俺〈ファイアボール〉使えますよ。
ケルル:よし、やれ!
ラス:<魔法行使判定>は1ゾロじゃないので成功。『魔晶石(5点)』を使って、ダメージは17点!
ラス:MP33→30
GM:ドラゴンを見ると、もう一息の様です。
アンヘル:じゃあ最後に一吹き。ダメージは9点!
アンヘル:MP29→26
GM:では、アンヘルの一吹きが吸収されると、ドラゴンの彫刻が真っ赤に染まります。それから彫刻が消え、扉がひとりでに開きました。
カザリ:おおー。邪龍云々はただの仕掛けでよかったのかな。
ケルル:だろうね。てか、火吹き男じゃなくてもかがり火から火貰ってきてもよかったのかも。
アンヘル:あー、その手があった……。まあこのリルドラケンはきっと得意顔でお面使ってただろうな。
ケルルの言った通り、そういう解決手段もオッケーでした。
要は『熱』を扉に吸わせればよかったので、5人が手を手形に押し込むことでも「手から熱を奪った」としてオッケーにするつもりでした。その場合は『2d+3点』のダメージがありましたが。
GM:では扉のさきは一本道です。途中で下り階段となっていますが、その先に扉があるのが見えます。隊列を決めて進んでください。
カザリ:道幅は?
GM:人一人分と思ってください。
カザリ:オッケー。それじゃ、先頭はアンヘルで、その後ろに居ます。
ケルル:その真後ろに居ときます。あとはラス、メガ・ドラの順でいいんじゃない。
GM:アンヘル、カザリ、ケルル、ラス、メガ・ドラですね。それで階段を下りるということでオッケー?
アンヘル:オッケー!
GM:では一歩踏み出したアンヘルの後頭部に氷の礫が飛来、直撃します。『2d-2点』の氷属性の物理ダメージです。
アンヘル:うげ!? 7点……だけど物理ダメージ? なら防護点で0ダメージだ。
カザリ:どっから飛んできた?
GM:斜め後方の天井からですね。
ケルル:うわあ、どういう感知のトラップだ?
GM:<スカウト観察判定>で罠感知が可能です。どうぞ。
ケルル:7!
カザリ:14!
アンヘル:引っかかってから振るもんじゃないよな。8。
GM:それはそう。えー、カザリは、階段の段が踏まれて沈むと飛礫が飛んでくる仕掛けだと看破します。
カザリ:それは最初の一段だけ?
GM:階段の全ての段が沈み込みそうな仕掛けをしていることまでわかって構いません。
ケルル:え、何段あんの?
GM:12段です。
カザリ:まっとうに降りるのは無理だな!
アンヘル:飛んでくるものが変わらんなら俺は無傷で行けるな。
カザリ:いや、アンヘルとメガ・ドラはリルドラケンだから〈風の翼〉で飛行していけるね。
メガ・ドラ:ああ、そういえば。
ケルル:抱えてもらうことってできない?
GM:200kgまでいけるって書いてあるし、一人までなら可能としましょう。
カザリ:これで4人どうにかできるな。他に浮ける感じの人いない?
ラス:あ、俺、〈ウォール・ウォーキング〉ってやつ使えます。壁歩けるようになる。
アンヘル:じゃあ、それかけてもらってあとはリルドラケンが運んでここは突破だな。
ラス:MP30→27
こうして、無事5人全員が無傷で階段下に到達しました。
おおむね想定通りの解決手段を講じてくれました。こういう時、リルドラケンって強いですよね。
アンヘル:こういうの、ってたいてい下の奴が帰る時のために解除装置あるでしょ。ない?
GM:おお、鋭い。では注意深く周りを見れば、壁から不自然に突き出した部分を見つけます。
アンヘル:よし、押すと?
GM:天井の飛礫がとんでくる穴がふさがれました。
ケルル:で、扉だっけ。
GM:はい。扉があります。
カザリ:鍵穴は?
GM:ないです。
アンヘル:よし、蛮族退治の時間だオラァ! バーン!
GM:アンヘルが蹴破ると、そこは部屋になっていました。
まず最初に見えるのは、部屋の床に敷かれた魔法陣。
その次に、正面にある大きな魔動機械。そこには水色の魔剣が装着され、魔剣の発する冷気を吸収しているようにも見えます。
機械の傍には、人族の男が一人と、ゴーレムが立っていました。突然部屋に入ってきた君たちに驚いているように見えます。
そして、ゴーレムの背後には、銀髪の女性が意識を失った様子で倒れており、手かせ足かせをつけられていました。
カザリ:ローレッタさんは捕まってたか。そんでこいつが副隊長だな!
GM:「な、何者だ貴様ら!」
ケルル:「問答無用! 死に晒せ!」
アンヘル:どっちが蛮族だコレ。
GM:では、問答無用で襲い掛かるということで、戦闘開始です!
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