青春死体! 続くの?

 

 本日も曇天。


「ウェミダー」


 海に着いた五人。


「なんで日本海側なんだよ」

 

 荒れる高波。


「大丈夫、大丈夫、波が穏やかなプライベートビーチあるから」


 とは尸解仙の談。


「太平洋側にしようぜ?」


 そんな話題は却下された。

 少し時を戻そう。

 何故こいつらが海に行く事になったかと言うと。


「海、行こうぜ?」


 とは吸血鬼の提案。


「着ていく水着がない、てか春だぞ、まだはえーよ」

「今回だけ夏にしよー」

「私は構いませんが」

「うーあー」


 吸血鬼がちっちっちっと指を振る。


「水着なら買う」

「きゃー太っ腹!」

「誰がメタボじゃ」

「そういう意味じゃねぇ」


 という訳でショッピングモール。バイオハザードは起きません。

 買った水着は魔女がフリル付きワンピース。

 吸血鬼がビキニ。

 ゾンビがモノキニ。

 尸解仙が改造チャイナドレス水着、中国アピールは欠かさない。

 ルシフェルはラッシュガード。

 海に着く。雑ワープ。

 

「それー!」

「きゃあ!」

 

 水をかけ合う魔女と尸解仙。

 ゾンビは浮き輪で浮かんでいる。

 吸血鬼が傍についている。


「うーあー」

「そうだな、泳げないの悲しいな」

「皆さん、バナナボートなるものがあるそうですよ」

「お、乗る乗る」


 バナナボートに乗る五人。


「ひゃっほー!」

「サラマンダーよりはやーい!」

「おいやめろ……ってか酔って来た……もう無理……」

「うーあー?」

「大丈夫ですか?」


 全員が吸血鬼を心配する。


「そういえばお前、流水は?」

「あ!?」


 やっと気づく吸血鬼。

 呪いの効きが薄い。


「おい、もうバナナボートから吸血鬼、蹴落とせ」

「了解」


 尸解仙が吸血鬼を蹴落とした。


「死ぬ!? マジで死ぬ!?」

「悪〇の実の能力者かな?」

「うーあー!」


 浮き輪を投げるゾンビ、そこに目立ってなかったルシフェルが飛び込む。

 ライフセーバーかお前は。


「大丈夫ですか?」

「キュン♡」

「なんだこのラブコメ臭」


 吸ルシか……。


「吸ルシか……。じゃねんじゃ作者」


 うるせぇカプ厨なめんな。

 そして全員大人しく砂浜に上がる事になった。


「城作ろうぜ城」

「和風? 洋風?」

「ノイシュヴァンシュタイン城」

「地味」

「謝れや! ノイシュヴァンシュタイン城に! 名城やぞ!」


 こうして城作りが始まった。

 スコップで形作っていく。

 完成するノイシュヴァンシュタイン城。


「ふう……なんか俺ら青春してね」

「そうかもね」

「「魔女デレ!?」」


 尸解仙とルシフェルが声を揃えた。


「デレてねーし」

「まあ、楽しかったよ」

「オチは無いけどな」

「一回データ消えたのが悪いって作者が」


 ありがとう尸解仙、心折れそうだった。


「そんなリアルタイムの事情を話されても」

「海、楽しかった」

「溺れ死にかけてたけどな」

「うーあー」


 こんな青春回があってもいいのかもしれない。


「お? また文字数が少ないですねぇ(笑)」


 尸解仙、お前だけは許さない。

 この件、使い回しじゃねーか。


 海、日本海、結局、高波にノイシュヴァンシュタイン城は攫われたのだった。

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