(8)
「手掛かり無くなったなぁ……」
俺達は、近くのキャンプ場で、盛大に燃えてるキャンプファイヤーを眺めながら、虚しい気分になっていた。
「ええ……。あ、でも、高校ん時の後輩に、この手の事に詳しいヤツが居ますから……調べさせてみます」
仲間の1人である堤がそう言った。
「ハッカーか何か?」
「いえ……Fランですけど……大学の工学部の情報を卒業したヤツです」
「Fランじゃ頼りにならねぇだろ……」
「そうっすねえ……。ま、ダメ元で一応……」
「でも……中々焼けないなぁ……」
「やっぱり……焼く前にバラした方が良く無かったですか?」
「道具無いし……そもそも……誰がやるんだよ?」
「そうっすね……」
「にしても臭うな……」
「火も消えかけてますし……」
「燃料と臭い消しを追加だな……」
「はい……」
「同じ肉を焼くにしても……何で、普通のステーキとか焼肉って、いい匂いなのに……この肉って、焼くと、こんなに臭いんだろうなぁ?」
「さぁ……でも、臭い消しを用意してて良かったですよね……」
「でも……あと2本しか無いぞ……」
堤は、ドラム缶で燃やしているキャンプファイヤーに燃料の灯油を追加し……更に臭い消しの醤油を1・8ℓ入りのペットボトルごと投げ込んだ。
「焼かずに、そのままダムに捨てた方が良かったっすかね?」
「どうだろ?」
「ところで灰は、このダムに捨てるんすか?」
「それがどうかしたか?」
「ここって、鳥栖の水道の水源じゃなかったっすか?」
「あ〜、やっぱり灰にして良かった。焼かずに捨てるよりは少しぐらいはマシだ。……でも、今後、鳥栖に来た時には、絶対に水道の水は飲まねえけどな……」
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