4 ~運命の嵐と樹を抱く蛇~(1)

「ケイミー!開けてくれ、頼みたいことがある!!」

 大嵐の最中、戸を叩き呼ぶ声はメネフ。ケイミーとオーリィは顔を見合わせた。


 オーリィが役場で裁かれ、シモーヌが盗み聞きをしたその日のその晩。夕刻から俄かに強い風が吹き荒れたかと思うと、やがて滝のような大雨が降って来た。

「チキショウ、どうなってんです長老、この天気は!こんなことがこの村であるんですかい?なんかこう……こいつはちょっとヤバくねぇですか?」

 夜半にずぶ濡れの姿で役場に飛び込んできたメネフは、真剣な顔つきで長老に問うた。長老の表情も同じく硬い。

 彼らが住むこの「村」。本来極めて乾燥した気候なのだ。あの山の力で生存に必要な分の降水は確保されているものの、逆に大雨も嵐も普段は全く縁が無い。すなわち、村人の住む粗末な家々は、そうした「風水害」に対する備えを元々持っていないのだ。

「いい所に来てくれたなメネフ。使いを寄越そうかと思っていたんだが、流石は君だ、カンがいい。十数年前、君がここに来る前にも一度こんな時があった。その時はかなりの被害が出たものだ。そう、君の言う通りこの嵐は危険だ」

 山がその驚異的なテクノロジーにより、天候までコントロールしているこの村。だが完全ではない。長期間の間にたまった「歪み」が時に爆発する、あるいはガス抜き的に山が環境制御を弱めるのではないか。長老はそう自分の推論を簡単にメネフに説明すると、

「今から若い達者な者を集めて、手分けして村中に触れて回ってくれ。家が古いものは直ちに避難するようにとな。おおまかに言って現在、村の北側に古い家は集中している。南の新しくて頑丈そうな家、知り合いがいればそこに。心当たりの無い者は、ひとまずこの役場に集まれ、とな。まずわしが居るし、おっつけグノー達も集まるだろうから。受け入れの用意はしておく。急いでくれ、頼むぞ!」

「承知だぜ!!」

 役場メンバーの最年少、機転とフットワークが売りの「便利屋」メネフは、皆まで言うなと言わんがばかりに再び役場を飛び出していった。すると入れ替わりに現れたのはバルクスとグノー。

「どうやらただならない事態のようですね長老。メネフのあんな顔を見るのは久しぶりです。そうですか、なるほど……では、私も受け入れの準備をしますか?それとも……?」

「いや、まず君は現在の被害状況を一回り見てきてくれ。受け入れはわしと」

「わしの役目ですな長老。やれやれこいつは忙しい!」

「ただしバルクス君、わかってはいると思うが……」

「はい、作物は二の次この際人命優先、ですね。肝に銘じておきます。私自身も万一危険を感じたらすぐに戻ります。ご心配なく」

 村の農産を長老に代わって一手に管理する「監督」バルクス。彼にとって、村人が手塩にかけた作物が嵐に蹂躙されるのは断腸の思いに違いない。長老にはそれはわかっていたが、逆にバルクスにも長老の心遣いは伝わる。万事重厚慎重な性格の彼には、この緊急事態に対する気構えが出来ていたし、それを示す必要があると思ったのだろう。長老の言葉の先を読んできっぱりと答えた。

「よし、頼むぞ」「お任せ下さい」言葉を交わして彼もまた、水牛を宿したその巨躯を揺らして役場を後にした。

「前にもありましたな長老、こんな嵐が。あの時はひどかった。今度はまんまとその手にはのらんわい、あの山め!そうですな長老?」

 古参の助役グノー。実は本来、彼こそが先代の長老を継いで長老になるはずの男であった。だが、後からこの村に現れたモレノの人柄と能力に惚れ込み、彼を次代の長老に推して自らは補佐役を買って出たという過去がある。今はあくまでモレノを長老とたてながら、村の護り手としての闘志は決して劣ってはいないようだ。

「無論だとも。始めよう!!」二人は慌ただしく立ち上がった。


「……ってわけだ。ケイミー、お前は足が速いし、村の婆さん連中と仲がいい。誰がどの辺に住んでるのか詳しいはずだ。まずそうゆう年寄りから知らせてやらねぇと。お前もオレ達と一緒に村を周ってくれ」

 メネフはすでに数人の若者を伝令役として集めていた。そしてケイミーにも仲間に加われと言うのだ。いつもなら躊躇するようなケイミーではなかったが、その夜は。

 よりによって「愛娘」オーリィが処罰を受けた日。彼女のそばにいて慰めてやりたいという気持ちに心が揺れたのだろう。

「でも、それが……」と、迷う様子を見せたケイミーの手を、オーリィがしかと捉えてこう言った。

「いけません。私に構わず、皆さんと行って下さい。長老様が私におっしゃられたではありませんか?『自分の務めを果たせ』と。まだ村に不案内な私に今出来ることは、自分の身を自分で守り、あなたをより大切なお務めに送り出すことですわ。どうか今は、私のことは思い切ってくださいませ……!」

「済まねぇ、だがよく言ってくれたぜ。オーリィちゃん、一人で心配だったら役場に行けばいい。長老や旦那たちが頑張ってるはずだ」

「わかりました、そうさせていただきますわ。ケイミーさん、後程役場でお会いしましょう。さぁ、あなたは皆さんと一緒に!」

「……わかったよオーリィ!行こうメネフさん!」「頼むぜ!!」

 オーリィの言葉に決意を固めたケイミーは、最後にちらと娘の顔を見て、そして急ぎ嵐の中に駆け出していった。

 一人残されたオーリィもまた、避難に必要そうなわずかな品を集めようと立ち上がったが、その時。

 脳裏に突如沸き起こった、彼女自身にも意外な、ある思い。

(嵐……そうだわ……あの……りんごの樹!!)

 オーリィもまた嵐の中へ、だがその赴く方向は役場とはまるで違っていた……


 誰もいない、嵐の夜のりんご園。そこにシモーヌはいた。オーリィの家から逃げ出した彼女はその後も村をさまよい、いつの間にかここにたどり着いていたのだ。

 その脳裏には今も、先ほど聞いたあの「母と娘」の会話が渦を巻いている。

(悔しい……)

 彼女の胸を刺すのは「後悔」と「敗北感」。りんご園に来てしまったのは、我知らず、打ち砕かれた自尊心を慰めるためだと、シモーヌはようやく気付き始めた。

(すべてを失ってこの村にやって来た私。そう、それからは園だけが私の居場所だった。一心不乱にりんごの世話をした、なにもかもに目をつぶって、耳をふさいで。婆ァ様に認めていただくことで、その喜びで自分をごまかして。

 ……愚かだわ。逃げられるはずはなかったのよ、私はとうとう見つかってしまったのね、私を裁く罰に……償いようも無いのに……)

 激しい雨と風に打たれ、その冷たさに打ち震えながら、シモーヌの足はしかし、帰途に着こうとはしなかった。何かに激しく打ちのめされた彼女には、その気力が無かった。どこにいたところで、それは自分のいるべき場所では無い、無為無力の己に絶望していた。

 だが。そんなシモーヌの眼前の暗闇に、白い人影が閃いた。

(あれは……?ああ!!そんな、あれは!!)

 オーリィであった。いかなる思いを抱いてか、この大嵐の風雨に恐れをなす様子もなく、ただひたすらにどこかを目指しているようだった。

 今のシモーヌにとって、オーリィは誰よりも会いたくない人物のはずであった。だが一方、その姿には何故か、シモーヌを捉えて吸い寄せる魔力があった。魅入られたかのように、熱病に浮かされたかのように、シモーヌはオーリィの去っていく背に引き寄せられていく。

 オーリィが目指していたのは、一本のりんごの樹だった。

「ああ……婆ァ様に教えていただきながら、一月お世話した、この樹……本当に私は変わらない、変われない……せっかくあんなに沢山教えていただいたことを、また自分で駄目にしてしまった。私は……あなたが愛おしい……」

 樹の根元に跪き、幹を両手で抱いた。オーリィの心中に湧き上がる、ある決意。

 そして荒れ狂う嵐の中でも、オーリィのその声はシモーヌの耳にはっきりと届く。

(この声、やっぱり……【クロエ】……ああ私のクロエ!!)

 シモーヌがオーリィの元に駆け寄ろうとした、その時。

「シモーヌさん!!こんなところでこんな時に……どうしました、ご無事ですか?」

 バルクスだった。農地や用水を急ぎ見回っていた彼は、この時りんご園にやって来ていたのであった。またもや不意を突かれたシモーヌだったが、この時は恐れる暇すら無かったのだろう。立ち尽くしてはいたものの動揺している様子は表面上は現さなかった。バルクスも彼女の精神の常ならぬ異常に気づかない。

「なるほどあなたのことだ、りんご園が心配になったのでしょうが、いけませんな。この嵐は危険なのです。すぐに避難していただかないと」

 バルクスは彼女の凍り付いたような表情を、りんご園の被害にショックを受けているためと解釈した。そしてどうやら、少し離れたところにいるオーリィの存在にも彼は気付いていない。この風雨で視界を遮られ、しかも樹の根元に身じろぎもせずうずくまっているオーリィの姿を彼はまだ捉えていなかったのだ。

「さぁ行きましょう。残念ながらこちらの園も無事にとはいきますまいが、どの畑も状況はひどいものです。かくなる上は、この災害を皆で乗り越えるしかありません。こんな時、あなたのような有能な方に何かあったら、むしろそれこそ取り返しがつかない。園で働く皆があなたを頼りにしているのです。ご自重していただきたい。さぁ!」

 いかつい見た目とは裏腹に、バルクスはレディファーストに徹した紳士として村人に知られている。農場の作業総監督である彼は、職責上はシモーヌの上司ということになるが、横柄な態度はまるでない。むしろ言葉遣いなどもいたって丁寧であった。しかし今は非常の時ゆえ、と。バルクスは普段なら絶対にしない女性に対する無礼をあえて顧みず、シモーヌの肩を抱きかかえて強引にその場を立ち去らせようとする。巨躯と剛力の持ち主であるバルクスには、シモーヌでは逆らいようもない。あっという間にその場を退去させられてしまった。

 嵐の闇夜に、ただオーリィだけを残して。


 伝令の若者たちがドヤドヤと役場に戻って来たのは、長老の最初の予想よりずっと早かった。それは避難のため役場を訪れる村人たちの集まりの速さにも現れていた。今回もまたメネフがいい仕事をしてくれた、と長老が胸中でひとまず安堵していると、しかし。

「オーリィが……いない!オーリィはどこ?!」

 ケイミーの声だった。

「長老様、グノーさん、オーリィはここに来ていないんですか?!」

「む?いや見ておらんな。それに来た者には一応、全員にこれを書いてもらっているが……どうやら彼女の名前は無い」

 村では「紙」は極めて貴重だ。長老がケイミーに見せたのは日常のメモ書きなどに使う乾燥させた大きな木の葉、そこに村人達が自筆で名前を書き連ねてある。ケイミーは長老の手から数枚に及ぶそれらをひったくるように取ると、

「無い……無いわ、オーリィの名前が無い!役場に避難するって言ってたのに!!」

「雨が思いのほか強くて、結局家から出られなかったのではないかな?」

 そうグノーが言うと、怪訝な顔で眉をしかめたメネフが代わりに答える。

「いや旦那、今は確かにかなりひでぇが、オレ達が二人の家に行った頃はまだそんなでもなかった。あの後ならすぐに家を出れば……」

 嫌な予感がする。普段はおっとりしたオーリィだが、彼女の芯の強さはメネフは充分承知している。そして何よりケイミーと待ち合わせの約束をしていたのだ。あれしきの風雨でおじけるとは思えない。そしていかに嵐の中とはいえ、役場までは迷うような距離でも道順でも無い、だからこそ彼は役場に来いと言ったのだが。

「よし……ケイミー、とにかくまずオレがお前の家を見てくる。いてくれりゃぁそれでよし、だがもし……いや待てケイミー、お前はここにいろ!!」

 メネフの言葉を待たず役場を飛び出そうとしたケイミーを、彼は腕を取って止めた。

「どうして……離して!!」

「お前が探しに行くのは駄目だ!今お前は頭に血が上ってる、まともに周りが見えてねぇ!オレに任せろ。お前を誘ってオーリィちゃんを一人にしたのはオレだ、オレの責任だ。カタはつける!!」

「メネフ、あたしも一緒に行こう。さっきの髪の長いコだろう?」

 割って入った女がいた。【雌豹のアグネス】。彼女はメネフと共にケイミーを誘いに来た若者たちの一人だった。ケイミーとは初対面だったが、先ほどは一緒に手分けされて、二人で風雨の中、村を駆けずり回った。

「袖すり合うもなんとやら、さ。心配すんなケイミー、あたしとメネフに任せろ。あたしはネコ科だ、夜目が利く。きっと見つけてやるからあんたはここにいな、な?」

 多分に姐御肌な雰囲気をかもすアグネスは、そう言って動揺しきっていたケイミーをなだめた。よく知った相手よりかえって、今日知り合ったばかりの人間に親切に接してもらったことがこの際効いたらしい。ようやく少し落ち着きを取り戻すと、大きな両目に涙をたたえつつこう言った。

「アグネスさん……オーリィを……どうか……」

「任せな。行こうメネフ」

「済まねぇアグネス、頼む。行くぜ……おっと!!」

 二人が役場を出ようとしたその瞬間、だが。ちょうどバルクスがシモーヌを携えて役場の戸口に現れた。大柄な体で前方をすっかり塞ぐバルクスにぶつかり、メネフは面食らった。

「監督?その人は……いや今は聞いてる場合じゃねぇ、実はかくかくしかじか、あんたもケイミーを見ててやってくれ。無茶しねぇかどうか……心配なんだ」

「わかった。だが外は今相当荒れている。君も気をつけたまえ」

 頷きあって行く手をお互い譲り合う。メネフ達は嵐の中へ、バルクスとシモーヌは役場の中へ。

 その様子を、長老は抜け目なく伺っていた。特に、オーリィの失踪について聞いた瞬間のシモーヌの顔つきを。


「チキショウ、やっぱりいねぇ!!オーリィちゃん一体どこへ……?」

「仕方ないね。一旦役場に戻って出直そう。もっと仲間を集めようぜ、手分けじゃないとダメだ……おい、ちょっと落ち着けメネフ!お前らしくもない」

 二人の家には当然、オーリィの姿はなかった。先ほどはケイミーに落ち着けと言いながら、珍しく狼狽気味のメネフを、むしろアグネスがリードしているようだ。

 そして彼女は独り言つ。

(やれやれ、あたしゃコイツの方が心配で着いて来たんだが、案の定ってやつ。見ちゃいられないねぇ。惚れた女に泣かれるのには大分弱いらしいな。

 あれがケイミーね……噂にゃ聞いてたが、メネフのヤツ、ああいうタイプが好みとは……道理で。あたしがどんなに水を向けてもなびかないワケだ)


(どうしよう……彼女が園にいたこと、皆に言わなければ……)

 メネフ達二人は役場に戻り、あらためて捜索隊を募っていた。先ほど一緒だった若者数名と、避難に来た者からも協力者が現れた。そして心配に身を千切れんばかりによじるケイミー。その場は騒然としている。それを聞きながら。

(なぜ私は黙っているの?そもそも、最初にあの二人が出ていく時に言ってあげるべきだったはず……どうして言えなかったの?いいえ、そもそもと言うなら、なぜあの時、バルクス監督に言えなかったの?あの方の勢いに押されていたとはいえ、チャンスはいくらでもあった。なのに……)

 傍らの椅子に力なく座り込み、シモーヌは一人思い悩んでいた。

(このままでは、オーリィさんが……クロエが凍えてしまう!言わなければ……)

(いいえ、彼女は私のクロエじゃない。ただのそっくりな別人……)

(だからと言って、見捨てていいわけがない!)

(でも彼女を見るのは、会うのはつらい……いっそこのままいなくなってくれれば……)

(ああ駄目!なんて恐ろしい事を考えているの?人一人の命がかかっているのに!)

 千路に乱れるその思いは、決意に届くどころか迷いの淵に沈む一方。

 その時。

「シモーヌ君、知っていることがあるなら言いたまえ」

 騒ぎの中で、ごくごく小さな声で呟かれたその声を、シモーヌだけが聞き取った。

 長老であった。シモーヌが役場に連れて来られた時から、彼は彼女の様子を観察していたのだ。そして口元をさりげなく隠しつつ、他の誰にもとうてい聞こえないような小声でささやいたのである。

「隠せば隠すほど面倒なことになるぞ。いや面倒というより……君の心に傷がつく。黙っているほどに深い傷が、ね。君の背中の九つの傷のように」

 長老のその言葉は、実はかなりの部分、ブラフ。思わせぶりにカマをかけたのである。だが効果覿面だった。

「ひぃ!!」

 長老に背後から声を掛けられた時と同様に、シモーヌは空気を切り裂くような大きな悲鳴を上げ、飛び上がるような勢いで椅子から立ち上がった。椅子もけたたましい音を立てて転がり倒れる。

 その場の視線が、一斉にシモーヌに集まった。わなわなと震えるその唇は、なおも真実を語るのに抵抗を示した。だが一同の視線と、何より長老の険しい凝視を受けて、ようやく彼女は観念した。

「私は……見ました……園で……オーリィさんを……」

 その一言を聞いた途端、悲しみに暮れていたケイミーの表情が一瞬にして怒りにそまった。つかつかとシモーヌに駆け寄ると、胸倉を掴んで糾弾した。

「何ですって?!今何て言ったの?!オーリィが……りんご園にいたですって?!どうしてアナタ、それを黙っていたんです?!どうして!!」

「待ちなケイミー、今はそれどころじゃないよ!で?あの子は園のどの辺にいたんだい?」

 アグネスがそれを制し、シモーヌを問いただす。よだか婆ァと世話したりんごの樹、その場所を聞き出すと、

「聞いてのとおりだケイミー、今度はあんたも一緒に来な!あのコを助けたいんだろ?」

 その言葉の巧みさに、黙って舌を巻いたのはメネフ。

(ありがてぇぜアグネス。今度は、ケイミーをここに残しておいたらそれこそ大変だ。あの権幕じゃなにしでかすかわかったもんじゃねぇ。よし、とっとと連れ出してオーリィを探しに行くか!)

 メネフはアグネスと視線を交わし、頷きあった。だが彼女の方は若干の苦笑い。

(何とぼけた顔して喜んでんだか……まったく!こんなのは普段はお前のお得意じゃないかメネフ。あたしゃ真似しただけさ、あたしがいつも見てるお前のね……)

 一方ケイミーは、アグネスの言葉に胸を突かれたような顔になって、これまた二人に頷きを返した。ただし。

「シモーヌさん、お話は……後でキッチリ伺いますから!!」

 その一言を捨て台詞にして。そしてすでに戸口で待っている二人を追いかけ、一緒に慌ただしく出て行った。(続)

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