普通の恋をする話。

ゆつ

第1話

「はっ、はじめまして!鳴神礼です!仲良くしてください!」

 今日は高校の入学式。今は自己紹介の時間だ。俺の自己紹介はなかなか良かったのではないか?序盤に一発ギャグやってすべった奴よりかは好印象だろう。

 俺は小中と友達と呼べるやつが1人もいなかった。初めは遊びにも誘われることがあったのだが断っているうちに徐々に誘われなくなり、いつしか誰からも遊びに誘われなくなった(笑) 全く笑いごとではない。そんな小中学校の反省を生かし高校では真っ先に友達を作り自分から遊びに誘おうと思っている。自己紹介はその第一歩だ。自己紹介で好印象を与えることによりみんなが話しかけてくれるという算段だ。さて、友達何人できるだろうか。

 「自己紹介終了!今日のHRは終わります。帰っていいわよ」担任がそう言うとクラスみんなが周りの人と話しだした。大抵は同じ中学から来た奴らが集まって話しているだけだが。誰か俺に話かけてはくれないのだろうか。SNSでは受け身はダメだと書いてあったが自分から話しかけに行くのは少し恥ずかしい…

「こ、こんにちは」

後ろから声が聞こえたので振り返ってみる。これで自分に話かけてなかったらだいぶ恥ずかしいのだが。

「えっと、俺??」

「うん!」

すごく嬉しそうに返事をするのでつられて俺も笑顔になってしまった。名前は確か成瀬香織。大人しそうな見た目をしていたので声をかけてくれるとは思ってなかった。

「はじめまして!鳴神礼です。よろしくね!」すごくテンプレなセリフを言ってしまった。

「よろしく!私は成瀬香織。仲良くしてね!」

見た目とは裏腹にすごい元気な子だな。ギャップと言うやつである。

 その子と連絡先を交換することに成功した俺はるんるん気分で家に帰ったのである。

〜多分続く〜

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普通の恋をする話。 ゆつ @ohagi_san

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