色恋
ゆーな
あか❤️
私と君が出会ったのはいちごが美味しい季節
「僕、もみじが好きなんです」
たった1人、季節感ゼロの自己紹介してたからすぐに覚えた
「あっあの!」
「さっ、さくらんぼ狩りにっ」
「いきませんか!」
私が初めてちゃんと聞いた君の声
君はゆでたタコみたいに照れていた
「よろこんで」
幸せそうにさくらんぼ食べる君の写真で
私のフォルダはいっぱい
その帰りに偶然見れた夕日も綺麗だった
「そういえばもみじが好きって言ってたよね?」
「一緒にもみじ狩りに行きたいです」
あぁぁあ夕日の雰囲気に任せて言ってしまった
どうか良い返事を、
「もちろん」
夕日よ、ありがとう
秋はすぐやってきた
「今日あったかいね」
そういう君の笑顔がお日様みたいで私はほてりそう
君がもみじ好きなのなんとなくわかる気がする
恥ずかしさで私の手も、もみじみたいな色してる
君の手もそうだった
なんか嬉しかった
「ま、またっ」
「ら、らいねんもっ、もみじ見にきませんか!」
信号待ちの時に聞こえた言葉
テンパってしまう君がどうしようもなくかわいい
多分私の耳は恥ずかしさで唐辛子みたいな色してる
「こちらこそよろこんで」
今日はリボンを買ってきた
昨日作ったチョコレートを入れた箱を包むため
ちょっとでも女の子らしいのがいいかな
君にあげるチョコはもちろん本命だしね
そう今日はバレンタインデー
ポストの前で待ち合わせね!
って昨日がんばって君に言った
私、えらい
「ありがと」
君が笑顔でそう言ってくれた
ちゃんと渡せた、良かった、私も嬉しいよ
そしてその場で食べる君は、ちょっとずれている
やっぱりおもしろい人だね
「3月14日にまたここにきてくれますか?」
君の声が詰まらずに聞こえた
なんかいつもより勇ましいね
「はい、もちろん」
大人の女性に背伸びしたくてハイヒール履いてみた
ポストの前にはもう君がいた
君は私に一輪のばらを差し出してきた
「僕の夢は好きな人にばらを100本渡すことだったけどそんなに買えなかったんだ」
「でもっ、僕の気持ちはちゃんと100本だから!」
テンパっている君はやっぱり愛おしい
「僕、貴方の口紅なら付いても気にならない!」
「違う!そんなこと言いたかったんじゃない」
「ぼ、僕は、あなたが…」
ちゅっ
「私は貴方がすきです」
「本当に君のことが大好きです」
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