ようこそ!なんでも部へ!!

鮭川のフレーク

第1話 始まりはいつも唐突で常に巻き込まれる

「西澤!!これで何回目だ!!

しかも今回は…新入生の!!」


入学式を終えて、The普通の学園生活をして、目立たないような生活をするために地味な格好にして入り、ひたすらに静かな3年間にしようとしたはずだった。


なのにそんな今、どうしてそれをめざしていた俺が、生徒指導の貢川先生に怒鳴られ俺は正直なんでこんなことになってるのか思い出せない。

確か、俺は教室で静かに読書をしていただけなのになんで、隣にいる西澤彩音という先輩と共に説教されなければならないんだ。


ならば、全てを思い出し、振り返ろう。

一体なんでこんな目にあったのかを。

__________

まず、俺は目立つのが死ぬほど嫌で更には、腐りきったクソ家庭から抜け出したい一心でひたすらに勉強にその合間に読む愛読本を読むことを楽しみに続けていた。


今日も自主をさっさと終わらせ、静かなまだ誰も来る気配のない教室で、自分の席に座り、本と向き合っていた。

そんな唯一の幸せを邪魔した1人の見知らぬ上級

生の女子生徒。


「やぁやぁ!君、読書の最中に失礼するよ!

私は、なんでも解決部をやっている者なんだけどね!今いいかな?」


頭の方から声がしたもので、めんどくさいやつに絡まれた。

目が痛くなるんじゃないかと言えようピンク色のふたつ縛りの髪にすらっとした皮肉にも俺よりも背の高い姿についに女に身長負けたのかと落ち込みたくなる。

彼女の青い瞳はドヤっとしながら俺を見る。


俺はやっぱり昔から変なことに巻き込まれることが多いんだなと、今しみじみと感じた。

こんなの感じたくもないが。


声の主は、俺の返事を待っている。

しかし昔から返事をする度に変なこと巻き込まれるから巻き込まれないために無視をしている。

しかし、一向に机の前からどかない上にその横にあるカーテンを勢いよく開けて、「日に当たらないとダメじゃないか!!」とバカでかい声で、叫びながらシャーーッと開ける。


「うおぉ……め、目がああ!!」ってあまりの眩しさに本を手から落とし、呻き声をあげて、机に突っ伏しながら椅子から崩れ落ちそうになり某アニメの悲鳴みたいな声を上げた。


「あんた!いきなり何すんだ!!」


一瞬の眩しさには目がようやく慣れ、席から立ち上がり、カーテンを行き良いよく閉める。

「太陽の光は、ビタミンBを作るもとだよ?

浴びないと!!」と陽気に笑い、手元から落ちた本を広い渡してきた。


だが俺には、悪魔の笑みのように見えた。

朝の時だけは、太陽の光は浴びたくないのに…


「俺は朝だけは太陽の日を浴びず読書と自主に励みたいんだ。

だから邪魔はしないでくれ!」


一言言うと、そのまま座ろうとしたものの話を聞く気がなかったのかはたまた、その先輩自身の話を聞いて欲しかったのか今度は○ナ雪の歌詞の挿入曲の1部なのだろうか、「とびらあけてぇぇえ!!」とバカでかくかなりの大迷惑なくらいの勢いでカーテンを開けた。


この瞬間、手元にある本の端で頭どついてやろうかと思った位だった。


「やめてくれっていってるだろおおおがあああ!!

頼むから!!朝だけは!!ゆっくりさせてくれよおお!!!」


朝になんでこんなに叫ばなきゃいけないんだってくらいにでかい声を出して、仕方なくその迷惑すぎる行為をする先輩の話を聞くことになった。


「いや〜、話を聞いてくれてありがとう!」


「あなたがいちいち窓開ける度に太陽の光に目がやられるのがありがた迷惑なので話を聞いてるだけです。」

太陽の光という名のバルスを食らうのはもう十分だ。


「そうそう!!

その話っていうのはねーー!

実は、〘なんでも解決部〙の部員が少なくて、君にうちの部に入ってもらいたいんだ!!」


キラキラとした目を宿したと思うとこの人は何を言い出すかと思ったら、そんな話か。

よし、断ろう。

こういう勧誘をしてくるやつは、だいたいロクでもない活動をしているだけだ。

断って、別の部活でも探そう。


「すいません、お断りします。」


なんでも部の噂は、入って数ヶ月も立たない1年生の耳にも入っている。

例えば、この先輩が文化祭の後夜祭のステージ発表で爆発を起こして、大問題になってなんでも部だけ、ステージ発表の参加を禁止されたり、理科の実験と称し、ネズミだのニワトリだのを解放したり、校長室を爆破させたりと、最後に至っては校長になにか恨みでもあったのか。


こんな大事起こす部に居れば、どうなるかわかったもんじゃない。


だからこそ、巻き込まれないようにするために問題児を率いる部からは避ける。

ただそれだけ。


「そっか…

じゃあ、見学だけでも来てみない?」


諦めたかのように言ったが、やはり俺をなんでも部に引きずり込みたいようだ。

しかし、なんでも部というのは一体どんな部なんだと言う好奇心が俺を問題児の率いる部に引き付けた。


その好奇心にほんとに湧いていいのかと疑いがあるものの入る気はないのだが、この部長のことだあの手この手で見学を強制させてくるに違いないと諦めて、行くことにした。

しかし俺の中にはどんな部なのか興味が持ち見るだけというのを条件に見に行くことを伝え「じゃあ!!これにサインして!!」と差し出した見学書。


見学書に名前とクラス、あとは何故か入部届けを書かされているような内容を全部聞き終えるとなんでも部の部長後のバカ部長に渡し、放課後向かうこととなった。


「ありがとう!

じゃあ、明日の放課後になんでも部に来てね!」と言われあの部長とは別れた。


ここまでで、俺もなんの違和感もなく行くことにしたが、この時俺は気づきもしなかった。

これがあの紙の下にカーボン紙というものがあり、さらにその下にがあるとは思いもしなかった。


あらから後日の放課後。

湧いて欲しくない好奇心によって、行くこととなった部活への準備をしていていた。

窓の向こうから、野球部の掛け声や吹奏楽部の楽器の音とたくさんの部活の音が聞こえる。

俺はこの音を聴きながら読書をするのが好きなのだが、今日に限ってはなんでも部の部活見学がある。


帰る支度をすると、教室から出ていく。


やる気にならない足取りで部室に向かおうとしていたのだが、「君、遅いじゃないかーー!」とあの迷惑な先輩と鉢合わせをした。


「遅いって、まだ見学までの時間は余裕ありますよ?」


「いーのー!

それより、なんでも部の見学する子達もうみんな集まってるんだから!!」ニシッと、にんまり笑い俺の手を掴み、部室へと走らされた。

恐らくこんなに学校の廊下を走るのは、小学生1年生ぶりだったと思う。

そのせいか部室に着くはいなや、息が乱れてもう走る気はないと決意を決めたのだった。

着いて、気を取り直して早速入ろうとそそくさ入っていった部長の後をついて行き入る。

視界に入るのは、同じ顔が2つ揃っている男子生徒2人と入ってきた俺をひたすらにつり上がっためで見つめる女子生徒ひとりの3人が目の前の椅子に座っているのだった。


「さて!!みんな集まったところで早速、それぞれみんな事故紹介をしてもらおう!!」


「おい、早速発音おかしいじゃないですか。

それじゃまるで事故の紹介みたいですけど。」


1人そうツッコミを入れている横で、あと3人は別にどうでも良さそうな顔をしている。

ほんとにこの3人はどうやって見学をさせるまでに至ったのだろうか。

まさかの俺のように強硬手段に出て無理やり入らせたのか。

ひたすらに不思議に思うばかりだった。


「そうだったー!!自己紹介自己紹介!!!」天然な雰囲気を醸し出しているが、この人が部長だと言う時点で不安でしか無かった。

「とこんな厚かましい光景を見せて悪かったね!

私はこのなんでも解決部の部長を務めてる2年A組のなんでも部部長の西澤彩音だよ!」

「え?に、2年!?」

失礼極まりないない部長は、まさかの2年だった。その驚きが口に漏れて、その場にいる3人にうるさいと言わんばかりの顔で見られなぜそんなふうに見られなければならんのか納得がいかない。

「君そんなに驚くことかな?

私は君よりも1年学年上なんだぞ〜?」

エッヘンと声に出ていそうなドヤ顔をされてこの人が1学年上だなんて嘘だとしか思えずにいた。

「私の自己紹介の次はそこの双子くん達だ!

次行ってみよー〜!」と盛り上げていく。

愛想良く同じ顔の2人が「次俺たちかよ〜…」と嫌と言わんばかりの顔で俺を含めた3人を見つめる。


「俺は双子の兄貴の1年C組石川たつや!

俺これからこの部に入部させられまーす。よろしく!」


「俺は双子の弟の1年B組の石川まさき。

これから入部させられる予定だけどよろしくな!」


入部させられる。

ついにあの部長の被害者が出たか。こいつら2人はあの部長に強制的に勧誘されたんだな。

高身長の双子を見て可哀想だと思いながらも次に俺らを見つめた女子生徒の自己紹介に耳を傾けた。


「私は、1年D組の大崎紗奈。

そこの部長にまんまとはめられて入部させられることになったわ。

これからよろしく。」


ここに3人強制的入部させられた奴らがいるのか。

3人も勧誘させたんだ。この部長の強硬手段に出られる前に手を打っとく必要があるな。

そして次に俺の番が来た。

「俺は、1年B組の岩本曖。

この部にはただどんな部なのか興味が湧いただけで入部するつもりは無いです。」と簡単に挨拶を済ました。するとその後に部長がこちらに近寄り右肩をポンっと軽く叩くと「彼もこれからなんでも部の部員になるんだよ!」とにっこり笑い頭の中が「?」でいっぱいになった。

なんでも部の部員になる?意味のわからない説明に「え、ちょ。入部しませんって。」と間に割り込むが「あちゃー、君も騙されちゃった感じ?」と苦笑いをする双子の兄たつやに、「…あんたもあれに騙されたのね。 お疲れ様。」と苦笑いを浮かべる紗奈。

「そ、それどういう意味だよ!!?!!」"いつこの部長にはめられたんだ?!"と叫ぼうとした途端。

ふと脳裏に浮かんだ、昨日の朝のこと。

まるで入部届けを書かされているような書類の内容の心当たりがあった。


「あーー、、、あの時、、、……」


膝から崩れ落ちるように「嘘だろぉ、、、、」とため息と共に公開の言葉が溢れ出た。

「…私もあなたと、おなじ手段に騙されたのよ。これからよろしくな?岩本くん。」慰めているような言い方に少しありがたみを感じたこの頃だった。

俺が落ち込んでいる横で西澤部長ことバカ部長は活動内容だの活動時間だのを語っていた。

そしてその説明が終わると早速活動が始まった。

始まったと言っても特にやることなんてない暇な部活。

そのせいか、全員スマホに目をやっている。

だがなんでも部部長なだけある西澤部長は、あの説明の後どこかに消えていた。

この静けさなら、本来やり損ねた読書もできるはず。

その勢いでリュックの中から愛読している本を取り出して読みかけのページをめくった。

黙々と読んでいる横で視線を感じる。ふたつの視線がこちらに向いているのに気づいて、その視線の方を向くとそこにはあの双子が物珍しそうに見つめていたのだ。


「なんだ?

なにかあったか?」


「いやー?特にないけど岩本って読書好きなの?」


双子のうち1人が「俺、女遊びが好きそうに見えたんだけどよ。」「ん?もっかい言ってくれないか?もっかいいってくれないか?」その口からとんでもないことが聞こえた気がする。

「だから、俺岩本が女遊び好きそうに見えた。」なんて言い出した。生まれて初めて人にそういう風に見えたなんて言われた気がする。

「俺、女遊びなんて好きじゃないんだけど。」


「え?!まじ!?だって見た目的に女好きにみe」


「だから、女遊び好きじゃねぇって!

そもそも女と遊んだことすらねぇよ。」


その途端2人の可哀想と言わんばかりの目が俺にむく。そしてその後に「童貞……か。」「チェリーボーイとかギャップが、、」と言い出したが、そんなしょうもない遊びをしても意味ないだろうと思った。

「そもそも、女遊びして何が面白いんだ?」

「だって、可愛い姉ちゃんとかめっちゃ可愛い子と遊ぶの楽しくねぇの?!

もはや男の夢だろ夢!!!」


初対面なのになんでもこんなにとんでもないことを言えるんだ。

不思議でしかない。

「何アホくさいこと言ってるのよ、くだらない。

それよりも、あの部長さん一体どこに行ったのかしら。」

良かった、彼女だけはまともだ。

俺の想像を超える言葉がその後に聞こえた。

その後に「岩本くん、2人で探しに行きましょ。」と問いかけてきた。

「もしかしたら別のところで勧誘とかしてるんじゃないか?」

「確かに……あの部長さんならやりかねないわね。」


そう言って止めた。

それと彼女は納得しているが、他の部活ではこんなことしないということだけは確か。

うちの部の部長だけが異常なんだ。


「でも、また被害者出す前に探しいかないとだな。」

「そうね。

また問題起こす前に止めないと。」

「なら、俺らも協力するぜ?」

「人探しなら任せとけー!」


そう言って2人がこっちを見ながら、自信ありげに話に割り込んできた。

「それで余計なこと……するなよ?」

あんなとんでもないことを言ってたヤツだから少し不安もあるが「任せとけ!!」と言葉の圧をかけてくるもんだから、任したが…

部長を見つけるといい飛び出て行った2人が数分後に何かをやらかし生徒指導の教師の葉玉先生が鬼の如くあの双子を説教されていたのを後日自慢げに語ってくるまさきから聞いた。


「なかなか見つからないなぁ、、、」

「まさか帰ったとか?」

「あのバカ部長に至ってそんな無責任なこと出来るわけないと思うんだけど。」

「でも入部届け書かせるやつよ?

やりかねないとは思うけど……」


あちこち探し回ったものの一切あの部長の姿が見えない。

やっぱり帰ってしまったのだろうか。

それとも別のところで部活活動でも行っているのだろうか。

どんな場所を探しても見当たらなく、困っていると「あいちゃぁぁぁぁぁん!!!!逃げろぉぉおおおおおおーーー!!」と部長の声の叫ぶ声が聞こえた。

「逃げる?

1体どう言う意味だよ。」そういいながら声が聞こえた方を向く。

するとそこには、顔を真っ赤にして「まてぇぇ!!!西澤あぁああああ!!」と足の早すぎる部長の後を追う教師の背中と全速力で逃げている部長の姿があった。


「は!?」って驚く間もなく俺は、その横を走っていく部長のその後ろを本能的に追ってしまっていた。

こうしてさっきもう二度と走りたくないと決意したはずなのに走らされたのだった。


「あんたは一体、、、次は何したんですか!!!」

廊下に響く俺の声。

部長はどこか楽しそうに「校長の銅像にカツラ添えただけなのに先生が怒ってー!」と校長に対する嫌がらせをして永山先生に怒られそうになっているのだとか。

しかし、視線の先にはもう1人先生がおり俺たちはその目の前にいた生徒指導の教師の貢川に捕まり、それで現在今、説教をくらっている訳だが。


俺は巻き込まれただけでありどちらかと言うと被害者がなのだが?

先生にそう言ってやりたいが、そこでさらに怒らせるのも面倒なもので仕方なく黙って怒られた。

そうして説教されたあとはドドンッと効果音が着いてもおかしくないくらい大きな反省文書の山を目の前に置かれ、「うそだろ…」と小さく悲鳴をあげた。

なんでも部入部させられて早速一日目で、反省文を山ほど書かされる。


そうして俺の優雅な一日が一瞬で憂鬱な一日に変わりはて、自宅でブツブツと独り言を呟きながら反省文を書きながらと机に共に朽ち果てそうになった。


この日を境に俺の優雅で十風満帆な生活は一瞬で憂鬱で胃に穴が空くんじゃないかと言えるくらいに変わった。

まるであの部長は悪魔のように……人を巻き込みやがる。

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