未来人殲滅隊 〖復讐篇〗
@narase
2人の復讐劇
「お母さん!お父さん!今日から僕7歳だよ」
「そうね。コテツ!おめでとう。」
「コテツはもうお兄さんだな。」
「そうだよお父さん!もうお兄さんなんだよー!」
3人の家族が笑っている。今日はコテツの誕生日だ。テーブルの上にはホットプレートと焼肉用の肉がどっさりと置かれている。
「コテツ、今日はお前の誕生日だ。お肉はたくさんあるからゆっくり食べなさい。 」
そう言いながら、中年の男は肉1枚で白米をサッと1杯、米粒1つも残さずに食べきった。
「ふふふっ」
「お父さんもゆっくり食べなよー。」
少年と綺麗な女性が笑う。
「うっ」 「うっ」
2人の大人が倒れる。どうやら吐血しているようだ。
「お母さん!お父さん!起きて!起きて!」
コテツがどれだけ揺すっても2人は立ち上がらない。コテツが顔を上げる。そこには黒装束のような全身真っ黒な服を身につけている男がいる。
「お前も殺させてもらうぞッ」
男がナイフを持って襲いかかって来る。
「うわぁー」
コテツは泣きながら逃げ回る。
「おれは逃げるガキを惨殺する趣味はないんだぞッ」
そう言いながら男はものすごい勢いで追いかける。
「助けて。お母さん、お父さん、助けてよぉー」
「無理だァッ。」
その時扉が開く音がした。
「コッちゃん!助けに来たよ!」
そこにはツインテールで顔の整った少女が立っていた。
「与一!なんでここに?!」
「助けに来たに決まってるでしょ」
そう言いと与一と呼ばれる少女はアーチェリーの弓で黒装束の男を射抜いた。
「ぐわぁぁッ」
男の腕に矢が生えている。男は腕を押さえる。
「お前ら2人ともズタズタに殺してやるから覚えておけよッ!」
男は6階の窓を突き破って逃げていった。
「あっ!お母さん!お父さん!起きてよぉ。お願いだから!おもちゃも、もう買ってくれなくていいから!」
静まり返るリビング。ホットプレートの上では肉が真っ黒に焦げて煙を立てている。コテツは煙でわなく、悲しみと怒りで顔をぐしゃぐしゃにして泣いていた。
「絶対に殺してやる」と胸に誓って
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