スクランブル
朝 交差点に立つ多くの人
信号が変わるのと同時に
一直線に歩き出す
朝 フライパンの上に溶き卵
ふちが固まるのを確かめて
箸で線を引いていく
慣れたように
何ということもなく
無表情で歩いているから
慣れたように
この菜箸を使って
かき混ぜたらどうなるのだろう
人々はきっと
驚いて困って文句を言って
怒られるかもしれない
それでもたぶん
いつもと違う出来事に遇って
苦笑するかもしれない
凝り固まった顔が
少しでも笑ったのなら
それで良いと思う
でこぼこの卵に
ケチャップで顔を描いても
それで良いと思う
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます