Probationers
猫壱
一
第1話 プロローグ
勇者や英雄と呼ばれるような、有能な者達だけで行われていたモンスター狩り
しかし
モンスターの数が増え、国々は倒せる者を広く集め始めた
次第に集う志願者達
その数はどんどん増えていき、今度はその者達を収集できなくなってしまった
そんな中、ある国が一つの町と組織を作った
『登録の町エイデン』と『冒険者支援協会』である
近隣で活動する者は必ずこの町を訪れて、登録の
すると、その特権を目当てに冒険者資格を取る者が現れ始めた
そこで冒険者支援協会は、資格を得るためのテストを設けることにした
それにより冒険者達は、危険に対応出来る者として認知され始め、あらゆる場面で求められるようになった
そうしてモンスター狩りだけだった活動の場が、護衛からトレジャーハンティングまでと幅広くなり、そのスタイルが定着していった
それから
****** ******
8つの大陸×世界一大きな国
この世界には8つの大陸がある。
フロッグ大陸、チュード大陸、ウォルド大陸、ネマ大陸、リューテ大陸、ケヤリ大陸、ガオル大陸、そしてテリッサ大陸。
勿論、その他にも人の住まう島が点在しており、島国もある。モンスターのみが生息する小さな島もあるという話だ。
そんな数々の大陸の中で、最も大きな大陸にあたるのがフロッグ大陸で、その中心となる国があの『登録の町エイデン』を創ったエイディナである。
エイディナは、エイデンを創っただけあって国力があり、様々な面において最先端を行っていた。
そして、エイディナの代名詞である登録の町エイデンは、エイディナの技術が集結したような町だった。エイデンに行けば何が流行しているのか、どこまで技術が発展しているのか分かると言われているほどだ。
冒険に携わる者達によって町の端から端まで毎日賑わっており、訪れた者に元気を与えるエネルギッシュな町だった。
ノース×世界の英雄
そんなエイディナの北の地に、『ノース』という町がある。エイデンとまではいかないがそれなりに栄えており、国内に居ながら異国を満喫出来る地として有名な町だ。
どうしてノースが異国のような町なのかと言えば、60年ほど前に起きた悲劇が関連している。ノースという島国をモンスターの大群が襲ったのだ。
運良く舟に乗る事が出来た者達は、海を渡って方々に逃げ、エイディナに辿り着いたノース国民達は、北の土地を与えられそこに移住した。
勿論、エイディナ国民になる事が条件であったが、それに対して異論はなかった。モンスターの手によって帰る地も慕っていた国王も失っていたからである。復興などとても望める状況ではなかった。
ノース国民は精神的に逞しく、商売にも長けていた。悲しみや親しい者達への憂いは勿論あったが、生活のために働き始めた。
少しずつ建物が建っていき、ノース料理も店や食卓に並ぶようになった。
そうやって町の雰囲気が故郷に近付いていくに連れて、変わった町が出来たと話題に上るようになった。
その噂は人を伝って国外に流れ出て、他国で暮らしている元ノース国民達の耳に届いては、離れ離れになった家族や友人、故郷の面影を求めてやって来る者が現れた。
そうやって元ノース国民が集まり生活している内に、町はすっかりノース国のそれとなり、いつしか観光地となっていた。
後にノースには、世界的に名の知れた英雄が住むようになる。アーク・ホガッタとセシルという2人だ。フロッグ大陸にいる4英雄の内の2人であり、夫婦でもあった。
セシルもアークも孤児であったが、アークが孤児になった原因は、あの出来事だった。ノースを襲ったあの惨劇で、当時6歳だったアークは、家族や親戚を失ってしまったのである。アークが大きくなって冒険者になったのも、ノースと家族の仇を討つためだった。
3人の仲間の力を借りて目的を果たしたアークは、冒険者生活から離れて仲間であったセシルと結婚し、産まれてきた子供達と共にノースに戻った。
それからすぐに商売を始め、商売が安定してから家を建てたのだが……その家が物凄く広かった。8人もの子宝に恵まれて奮発したのもあるが、大抵の物事を受け入れられるアークでさえ、「流石に広すぎた」と零したほどである。
しかし、結果的にそれで良かった。家業を手伝ったり関わりのある商売をし始めた子供達が、「便利だから」という理由で結婚後も生家で生活するようになったからだ。結婚すれば子供も生まれる。ホガッタ家は更なる大家族となり、地元ではそういう面でも有名となった。
そんな大勢の孫達の中に、アークとセシルに特別懐いた2人の孫がいた。
1人はライドという茶目茶髪の女の子で、もう1人はウルズという金髪に灰色がかった青い目をした男の子だ。
2人はアークとセシルの冒険談が大好きで、時間があれば話をせがんで聞いていた。
4英雄の中ではヤン・クエイントと呼ばれるアーク達の元仲間がとても有名で世界的にも人気があるのだが、ウルズとライドは、大剣を操って戦っていた祖父に憧れを抱いていた。
2人の中では『アークのような立派な戦士になって、大冒険をする事』が目標となっており、いつか一緒に旅に出ようと約束を交わしていた。
祖母のセシルが対象ではなかったのは、彼女が魔法を使うタイプの冒険者だったからだ。魔法を使うにはまず魔力が必要で、魔力を持つ人間は世界的に見ても極めて少ない。ウルズとライドが戦士を志したのは、極自然な事だった。
続く。
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