　君の事が好きだ。君の事がもっと知りたい。抱きしめて、キスして、服を脱がして。その先で君に触れてもまだ足りない。君は謎に満ちている。もっと知りたい。君を骨の髄まで教えてほしい……いいのかい？ありがとう。じゃあ遠慮なく。頭蓋を割って、その形の良い大きな胸を開いて、君の中身、全部見せてもらうよ。君の心臓はハートの形をしてると思ったけれど違ったね。胃袋も、大腸も凡庸で、子どもの頃図書室の人体解剖図絵本を見た時の不気味さと同じだ。君の美しさなんてどこにもない？君はどこにいるんだい？君は応えてくれない。ただの内臓と、肉片と、骨になったから。寂しい、寂しいよ。どうして僕に中身なんて見せてくれたの。

　Twitter300字企画第九十回お題より……「謎」（本文２９９文字）