救いとは?

 文字の中で、文章の中で誰かを救ったところで、現実の誰かを救えるわけではない。文章の中の誰かを救ったところで、こうして書いている自分が救われるわけでもない。


 好きな作品の結末が納得いかず、自分なりの二次創作や、意識した一次創作をしたところで、元の彼らが救われるわけでもない。こうして綴っている文章すら、読まれる当てはない。


 それでも綴ってしまうのは、書くこと自体が書いている私の救いだからだ。創作をすること、それ自体が慰めで救いなのだ。だから私は今日もワードを開いて文章を書き続ける。上手くもない、誰かが読むかもわからない文章を。誰かが読んで、良いでも悪いでも何かを思ってくれたなら、嬉しいけれども。


 Twitter300字ss第八十一回お題より「救い」(本文297文字)

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