神々同士が争ったその末の世界で、とある事情を抱えた主人公アッシュは、己自信を探す少女クロスと出会う。
そんな導入で始まる物語は、アッシュを中心に様々な立場の人物を巻き込み大きなうねりを作りつつある。
丁寧に描写されながらテンポ良く進んでいくストーリーときっちり組まれた構成、何よりも文章の手触りが心地好い。
白状すれば、私にとって読みたかった物語がここにある。
未だ物語は道半ば、アッシュの行く末はまだ見えず、クロスもまた己の運命を知らず、私たち読者には見当もつかない。
けれど、きっと。
この物語の結末は、祝福に満ちている。