第87話





「は!?香澄ちゃん怪我してるの?大丈夫?てか橙李は知ってるの!?」


結月が凄い驚いた様子でいる


「陸上辞めるまで考えてるとは思ってなかったけど…まぁ裕也抜きに相談って時点である程度予想はしてた、怪我は見抜いて聞いた感じ」


淡々と喋る俺の肩を手で揺らしながら


「手術とか必要な感じ?で走れなくなるとか!?」


驚いて少しテンパっている結月と真剣な顔でいる俺に香澄が話始める


「結月さん、心配してくださりありがとうございます。手術したら治りますし走れますよただ…」


少し申し訳なさそうに話す香澄が少し言葉に詰まりながら続ける


「んー…将来の事考えて…裕也とこの先どうなりたいか真剣に考えて…やっぱり離れたりしたくないし、なんなら結婚すぐにでもしたいから、陸上と裕也を比べてしまって…」


「え!?でもなら高校の間は陸上してても問題ないよね?」


「あー…裕也多分アメリカ行きたいみたいなんです、この前も行く方法とか調べてましたし…」


「え!?でも香澄ちゃん頭良いんでしょ?」


「多分英会話とかそっちの勉強するためだろ?香澄」


「…流石幼馴染だね…アイツが英語喋れる様になるはずがないからね、後向こうで勉強したい事も出来たから」


「え!?英語話せなくて留学出来るの?」


「んー多分無理だけどそこは何とかするんじゃない?大体アイツがテストで30点以上取った所見た事ないし…」


「あーそこは向こうから来て欲しいって言わせる為にトライアウト?みたいなの受けに行くって、ついでに選抜も観に来いって言うつもりらしい…バカだよねアイツ…」


呆れた顔の俺と香澄に結月が呆気に取られているが香澄が話を続ける


「で、2人にどう思うか聞きたいって感じかな…」


「てかやりたい事ってなんなの?」


「私もそうだけど、橙李のケガもさサポート出来る人とか身近にいなかったでしょ?だからメディカルトレーナーの勉強がしたくて。自分の子供とか周りの子、大切な人が何かあった時に助けたいって思って。この前の球技大会の時に橙李にテーピングした時に感謝されたのが嬉しかったのが大きいかな、だから将来は裕也の専属トレーナー、終わったら日本でその技術を広めるかな」


香澄の顔は晴れやかで全く迷いの無い顔をしていた


「んーならやったら?」


「ちょっと橙李!!そんな適当に返さない!!香澄ちゃん悩んでんだよ?」


「いや多分辞める事自体には悩んで無いよ香澄は」


「なら何で?」


「裕也に重いって思われるか…普段にならないか、だから怪我の事も話せて無い、そんな所だろ?」


「…正解。だから女性の結月さんの意見も欲しかったんです。」


「まぁ後悔がないなら今辞めても良いと俺は思う。ただ最後にどしても走りたいなら走りなよ。俺はそういうのが出来なかったから怪我した後すげー落ちたし後悔とかしたけどこの前の球技大会で払拭できたからさ。幼馴染の立場で言うなら後悔するくらいなら、こけても良いから最後全力で走れ!!…まぁスポーツマンとしては最低な答えだけどな。ケガ隠してまでやれとか」


「いや橙李はそう言うと思ってたよ」


「まぁ昔言ったかもしれないけどお前の走ってる姿カッコよくて好きだからさ、頑張れ」


「ん、ありがとう…でも結月さんの意見も聞きたい」


香澄の言葉と俺の発言に何か思ったのか結月が口に手を当てて何かを考えている。


少し沈黙の時間が過ぎてゆっくりと結月が喋り始めた


「とりあえず橙李、アンタ一旦出て行って…他の席で食べてなさい。2人で話したい。」


「は!?」


キリっと真剣な顔で結月が言い出した事に2人で驚いてしまった


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