第86話




結局その日は親もいるので控えめに1回だけ愛し合い(コンドーさんが無くなったのもある)早めに寝た。

突然の母の帰宅(俺だけ知らない)というイベントがあり月曜日からはドタバタの日々となった。


まず月曜日には『休み!!起こすな!!』と大きな紙をドアに貼り付け爆睡する親に気を使いながら結月、華帆の朝ごはんなどを仕上げて学校に行く、ここまではいいとしよう


11時ごろに親から何故朝おこなさなかったのか、結月ちゃんに会いたかったと散々ごねられ学校が終わる頃に晩ご飯コレが食べたいと注文をつけてくる、当たり前のように買い出しにもいかず早く帰ってこいと言われ帰ると地獄が待っていた


まだ18時にもなってないのに香澄の親、裕也の親を呼んで宅飲みを始めていやがった

なんなら香澄父に釣ってきた魚を捌かされたりおつまみ作らされたり、ひと段落ついたと思ったら裕也達3人もくるし夜12時までめちゃくちゃ働かされた


次の日も華帆を拉致して至急帰って来いと言われ帰るとあちこち連れまわされた。


ちなみに普段はまとも?な母親だか出張から帰ってくると2〜3日このテンションで連れまわされる、


そして水曜日のバイト終わり、俺と結月は客席で待つ香澄の元へ行った



「ごめん、お待たせ」


「全然大丈夫、小説読んでたから!!結月さんもすいません、お疲れ様の所」


テーブルの上を片付けながら結月に挨拶をする香澄…何処と無く顔が赤い気がする…


「大丈夫よ、ちなみに小説って何よんでたの?」


その質問にビックリしてきょどりだす香澄


「え!?…えーと、コレはですね…今流行りの…」


狼狽えていたので小説を取り上げてブックカバーを外すと


「えー『幼馴染に無理矢理犯されて 縄から始まるドロドロな放課後』…おい、真剣に読んでるなと思ったら何読んでんだ…何ならアブノーマルなの」


「…香澄ちゃん……ここ外よ…」


2人で呆れた目でみていると



「…だって新たな境地にはいりたいじゃないですか!?これはれっきとした勉強です!!」


何故か自信満々にない胸を張って言い放つ香澄の潔さにおされ深く突っ込まずお店を後にした。


バイト後という事でゆっくり話が出来るように串カツのチェーン店でご飯でも食べながら話をしようと言う事になった


「ここ食べ放題だから気にせず食べていいよ、私出すから」


「あざーす、じゃあニンニクあげと紅生姜、玉ねぎ、椎茸かな」


「…橙李おっさん??でもニンニクは私もほしい、香澄ちゃんは」


「んー豚バラ、オクラ、イカゲソ、エビ、アスパラかなぁ」


「ん、じゃとりあえずオーダー飛ばして…でいきなり話する?私も2人に話あるんだけど」


「あ、じゃあ結月さん先お願いします」


そう言いながら正面に座った香澄がコーラをグビグビおっさんみたいにのんでいる


「ん、じゃあこの前のモデルありがとう。で、私の担当の人?から香澄ちゃんと橙李、あと裕也くんもそのまま読モしないかって、香澄ちゃんと裕也くんはセットで高校生のカップルにスポットを当ててデートのシュチュエーションに合わせたコーデとか放課後のデート特集みたいな感じでやりたいらしい、一応2人共忙しいって言ってるから1ヶ月に2回撮影みたいな感じで合わせてくれるって、爽やかでスポーツしてる感じが読モっぽく無くて共感得られそうって言ってた、ちなみに週明けにこの前の撮影の雑誌出るけど編集では凄い評判よかったって。で橙李は私とセットでコッチもカップル関連かな、まぁこの前みたいに物じゃなくてお金をちゃんと払いたいからって、深く考え無くていいんだって」


「え!?私が…モデル??」


「え!?香澄と裕也が爽やか!?は!?ど変態の間違いでは??」


「…んーまぁそこは私も否定は出来ないけど…」


「おい橙李!!…てか結月さんまでぇ…」


「まぁつぶつぶ極厚使ってたらね…」


「かぁぁぁあほおぉぉぉおぉぉぉ!!」


叫ぶと同時に突っ伏してしまった香澄…


「まぁ冗談は置いておいて…とりあえず考えてみてよ、そんな変な仕事来ないし、何なら契約の時に水着ダメとか言えばいいしリアルな高校生の声がほしいんだって。」


「んー俺断る理由無いし、一応家族に報告してからにする」


「…んー私もかな…裕也の事もあるし、後これからについても色々考えたいしね」


香澄の表情がどんどん真剣な顔になっていった、これに気づいた結月も真剣に聞ける様に姿勢をただした

そしてゆっくり思い詰めた様に話始めた


「…実は、次のインハイで陸上を止めるか…ちょっと迷っていて…後ケガの事も…」


静かに今までに見たことない表情で語り始めた

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る