第85話





「ふふさっきは虐めてゴメンね結月ちゃん、可愛かったからついね」


橙李がお風呂、華帆ちゃんはどうやら誰かと電話をしているみたいで今京子さんと2人で話をしている、非常に気まずい…

ただ1つわかった事がある、華帆ちゃんと同類だ…なんなら歳上の為断れない…とーくん何時も頑張ってたんだね…お疲れ様…


「いえ、まぁ確かに恥ずかしかったですけど橙李の気持ちをちゃんと知れて良かったです。」


「そ、ならよかった!!後あの子居ないから言うけど病院の件ありがとうね」


深々と頭をさげる京子さんにビックリしながら


「いえ、頭をあげてください!!アレは私がやりたくてした事なので…あと橙李が辛い時に側にいたかったので」


「でもありがと、親なのに側にいれないこと多いし、あの子甘えるの下手だから凄い助かる」


「…確かに不器用な人ですけどそこも含めて橙李の良さなので…それに私もあの子に沢山助けて貰ってますし…」


「よく見てくれてるのね、華帆もあのおにぃが他人に甘えてる所初めて見た。あの人めっちゃいい人って褒めるくらいだからね。

ねぇ結月ちゃんって将来何かしたい事ないの??確か今は橙李と同じファミレスと読モしてるのよね?」


あ、やっぱり聞かれるよね…19でフリーターって言うのもね…それに京子さん大手企業の役職って言ってたし


「…今はこの仕事って言うのはありませんね…読モもアルバイト感覚で何か違うというか…コレって気持ちになれなくて、」


「まぁ若いんだしいいんじゃない?じゃあコレって気持ちになれる物ある??」


あ、橙李と同じ質問だ…やっぱ親子だなぁ、笑えてきちゃう


「…あるにはありますけど…」


「あ!!もしかして橙李!?あの子支えたいとかそんな感じ??」


うわ!?凄!!心読まれた!?


「…はい…何でわかったんですか?」


「だって優しい顔になったし緊張やわらいだからそうかなぁと思って。しかも結構本気で考えてそうだね」


「…はい…恥ずかしいんですが…」


「いいじゃん!!いいじゃん!!私ね女はやっぱり好きな男か子供がいないと輝かないし頑張れないと思うの。だから全然変な事じゃないよ!!んーじゃあ2つ私からお願いしていい??」


「はい…私に出来る事なら…」


「じゃあ私また10月頭から11月終わりまで出張なの、で結月ちゃん家に住まない??」


は!?何言われてんの?


「そこで橙李と同棲してみて大丈夫そあならまたお願いしたい事あるから!!とりあえず試しにどう?将来的に貴女に損は絶対にさせない!!それは私の誇りにかけて誓うから」


この人ギャップ凄い!!多分仕事してる時はこんな感じなんだろうなぁ、カッコイイ、それに断る理由もないしなぁ


「…いいんですか?」


「んーやりたいか、やりたくないか!!私の意見は関係ない!!貴女の意思が聞きたいの!!」


もっとゆっくり考えたいけど…このままだと何も変わらない…なら…


「やりたいです!!やらせてください!!」


「ありがとう!!ならまた近づいたら連絡するわね、後橙李には黙っててね、あの子の驚く顔が見たいから!!弄りがいある息子で飽きないわ」


あ、ダメだ…橙李に全く連絡いかないのワザとなんだ…


「あと1つは暇な時に私が言う資格何個か取って欲しいの、将来橙李といて絶対役立つし、もし別れても貴女のためになるから、」


「え??」


「言ったでしょ?貴女に損はさせないって!!どうなっても1つ目のお願い聞いて貰う上で貴女は私が責任を持つって私は決めてるから、後もしやりたい仕事が出来たらすぐに教えて」


「え??え??」


「んーここからはいずれだけど橙李が建築関係の仕事やりたがってるのは何となく知ってるからその時サポート出来る様にしてあげる、結月ちゃんが橙李を支えたいって思ってるのはわかったしあの子も結月ちゃんになら甘えれるからそのお手伝いかな」


「…何で今日会ったばかりの私にそこまで??」


「勘!!」


「へ?」


「私そういう勘鋭いのよ、多分貴女と橙李が一緒にいればいい感じになるかなって思って…後は親としての我儘ね、あの子には苦労かけてるから、元々スポーツ特待だったのが怪我してテスト受け直して普通の特待生で入ってるから学費かかってないのもありがたいし、華帆も特待生で入れそうだから2人には感謝しかない

だからあの子達が幸せになるなら何でもする、それが親ってもんでしょ?貴女は橙李に寄り添える唯一の人、私や華帆でも出来なかった事をしてくれてる、そんないい女逃がすわけないじゃない。まぁ今後どうなるかわからないけど、あの子も離すき無いみたいだしじゃないと今日無理にでも帰らせてると思うから、ほらあの子重いでしょ、だから何となくわかるのよ、だからとりあえずやってみない?」


なんかこう言う所はとーくんそっくりだなと改めて思った。誰かの為にって所、それをカッコつけない所、こんな会ったばかりの小娘に頭を下げる所、恥ずかしげも無くクサイ事言う所、何か暖かい気持ちになれる


「…はい。ならやってみます。」


「よかった!!あ、あの子自分が特待生で入ってるとか知らないからここでの会話はアフレコね」


「は!?」


「だってあの子黙ってたほうが面白いじゃない!!だから学年で10位以下になったらしばくってつたえてるし、てか普通気づくけどね…まぁあの子と裕也くんは気づいてないけど香澄ちゃんは知ってるし黙って貰ってるから」


「何でそんな事を?」


「え!?だってその方が面白いじゃない!!橙李自分は抜けてないって言いながら案外抜けてるのよ!それに知ったら当たり前の様に勉強ばっかして面白くないから危機感持ってやってもらわないと私が楽しくないもの!!」


あ、さっきまでの感動を返して欲しい…


ガチャ


「あ、橙李上がったみたいだからこの話お終いね、色々会ったばかりなのにゴメンね」


「いえ、こちらこそありがとうございます。」


「ま、早く嫁に来てくれるの楽しみにしてるから!!」


「あー気持ちよかったぁ、あれ?オカンと結月2人だけ」


橙李がお風呂上がりに水を飲みに来たのかリビングに入ってきた…上半身裸で………バカ…


「まぁ…結月ちゃんも独占欲強いのね…橙李!!アンタその格好でウロウロせんの!!結月ちゃんとの親に見せつけてたいん??」


「??……ゔわ!!忘れとった……」


バカ………でも大好き…



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