第80話



「あ、先に粗挽きハムと桃の冷製パスタね…んーやっぱり趣味だね…やりたい事があって、建築関係、特にリノベーションとか居抜き物件、とか色々あるんだ、設計とか、デザインかな…思い始めたのはゆーちゃんと初めてご飯行った時かな…なんかあそこオシャレだけどアットホームな感じだったよね?元々城とか古い街並み見るの好きだったのもあるけど昔の物使いながら俺らみたいな若い人からお年寄りまで楽しめたり笑えるようにしたいなと思って、原田さんと結構話して見学とかさせて貰ってより明確になった感じかな」


「ちゃんと考えてるんだ…私どうしようかな…あ、パスタサッパリする!!誰も美味しすぎる」


「ありがと、ゆーちゃんモデルは?」


「話あるんだけど…やりたい事ではないんだよね…好きだけどコレじゃないとダメって事はないかな…」


「ちなみに仕事じゃなくてもコレじゃないとって思う事ある?」


「とーくん!!んー上手く言えないけど、あと真面目に話すけど橙李を支えたいってのが強いかな…んー橙李って弱さとか甘えとか人に見せるの下手というか似てるから、私は橙李にそういう所出せてると思うしお陰で前より楽になれた、だから橙李にとってそういう存在になりたいかな…隣で支えて一緒に頑張りたい」


「…ありがとう、ただ俺カッコつけだからねぇ」


「知ってる、でもそのままだと辛くなる時が来るから…んー橙李が安心してくつろげる場所になるかな」


「漠然としてるけどなんか深いね、てかそんなに好きでいてくれてありがと」


「橙李が私にそうしてくれてるからお返ししたいだけだよ」


「ありがとね、じゃ魚料理はヒラマサのソテーでソースはニンニクとレモンとヒラマサマリネ漬けにした時のオイルだよ、」


「なんかちゃんといい感じに出てくるけどどうしてるの?」


「ん?時間みてたって魚焼いたりしてるだけよ?大体完成してるから、」


「コレが趣味って言えるのはスゴいよ、これも魚ふわふわで美味しいし」


「よかった、一応苦手そうな物使わないようにしてるけどあったら残してね、あちなみに俺の目標は結月との家を俺がデザインして立てて子供と住むかな」


「ンン!!?あえ!?え!?」


「ん?ダメ??」


「いや、さらっとプロポーズ的な事されたような…」


「そうなれたらいいなって思っただけよ?そんな重く考えなくて大丈夫だから、でもそう考えたら頑張れない??」


「確かにね!!…私ももう少し具体的に考えてみるかな…」


「まぁ結月がその気になったら大抵の事は叶いそうだけどね、はいお口直しのグレープフルーツのシャーベット」


「んー自信ないけどなぁ」


「大丈夫!!俺自慢じゃないけど人を見る目というかそういう感は鋭いと思ってるから」


「その理由は?」


「同じ感じが裕也、華帆、あとちなみちゃんからするから」


「あれ香澄ちゃんは??」


「んーアレは裏方じゃないかな、どっちかと言うと俺と同じ感じがする、誰かを支えるとか」


「んーよくわかんない理屈ね」


「でも親に話したらよくわかってるじゃんって言ってた、私もそう思うってまぁちなみちゃんと結月は会ったことないけどね」


「じゃあそのとーくんの感を信じて頑張ってみようかな」


「まぁ無理ないようにね!!はい、メインのステーキ、部位はともさんかくって言う色々バランスの良い珍しい所でサーロインほど油ないけどソースとか無しで塩とおろしたてのワサビで食べてみて」


「うま!!柔らかい!!コレ松原食堂以外で食事出来なくなる…てか何でこんな料理上手いの?」


「んーきっかけは小1?の時に学校で育てた野菜を先生が料理してくれて、それまで食べら無かった物が食べれるようになったのがきっかけ、後は外食とかコンビニ弁当が嫌いで自分で作れば良いって気づいて動画とか見て勉強したり最近は美味しい所に食べに行ったら聞いたりしてるかな」


「何か色々凄いよね、こだわりが職人肌って感じ」


「そうかなぁ?」


「普通食べに行けばいいって結論出ると思うけどね、でもありがとそのお陰で最高の誕生日になったよ」


「あ、〆いる?」


「んー大丈夫、炭水化物これ以上とったら後が怖い」


「ゆーちゃん痩せてるから大丈夫だと思うけど」


「まぁお腹にはつかないんだけど顔と胸につくから、これ以上はいらないかな、バランス的にね」


「…あーそれ香澄の前で言ったら殺されるから絶対言わない方がいいよ」


「…あー…黙っとく」


「じゃ、デザートね…」


デザートを取りに行き、用意したケーキにロウソクを数本刺して電気を消す


「ジョワイユ ザーニー ヴェル セル

 ジョワイユ ザーニー ヴェル セル

ジョワイユ ザーニー ヴェル ゆーちゃん

ジョワイユ ザーニー ヴェル セル」


「え!?何!?何語!?」


「ん?フランス語で歌ってみたけどどう??」


「いやケーキの感動よりそっちのせいでめっちゃ面白かったんだけど!!」


「ちなみに何ちゃってで合ってるかもあやしい!!」


「完全にふざけてるじゃん!!でもありがと…ふっ」


「ハッピーバースデー!!ケーキも手作りでバスク風チーズケーキです!!」


「ならスペイン語でうたいなよ!!ふふ」


「あー思いつかんかったなぁそれ…」


「ふふ…でもコレ凄いね、本当に色々ありがととーくん大好き、チュ」


その後誕生日ケーキを2人で食べさせ合いながらバースデーディナーを終えた


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