第59話





家に着いたのが5時半、ベットで寝ると起きれそうになかったのでリビングのソファーで寝るようにする

目覚ましも8時にセットして一応華帆にも8時に起こしてとメッセージを入れておく


横になると一瞬で意識を手放した




と思ったのも束の間、大きな声で「おにぃ!!」と言われながらソファーから蹴落とされる俺


「…ん??…んぅん??…」


寝ぼけてキョロキョロ周りを見ていると


「おにぃ起きて!!」


「…もう8時??」


「いやまだ6時半!!そんな事よりおにぃこっち来て!!」


そう言いながら我が家のワガママ姫が自分の部屋に俺の手を引っ張って行く

部屋にはいると凄い量の服が並べられていた


「…何これ??」


「さぁおにぃ私が今日デートに来て行く服を決めるよ!!」


「…誰とデート??」


「…い…依澄だよ…」


「…ならスリットが入ったチャイナ服…」


「そんなアホな格好できるか!」


そう言いながら部屋のぬいぐるみを投げつけてくる姫様


「…眠い…ん、香澄はメイド服って言ったら本気で着て行こうとしてたぞ? ちなみに当日写真送って来られたから止めに行けたけど」


「香澄ねーは…ほら…色々残念だから」


「それよりどうしよう!!?」


「ミニスカ網タイツ…」


「異議あり!!」


「朝からなるほどーのモノマネは要らんよ?」


「違うわ!!もっとちゃんとアドバイスしてよ!!」


「…いや朝から妹の服選ぶ兄とか居ないだろ?」


「ここに居るじゃん!!シスコンおにぃ!!」


朝からハイテンションすぎる妹にやっと覚醒して来た頭を使いながら


「…いや朝から寝ているお兄様をわざわざ起こして服選ばせるブラコン妹だろ?…てかRINEみて…俺帰ったの5時半よ…普通起こさないよね?」


「いやそれは関係ないよ?それよりおにぃどうしよ!!?」


いや依澄チョロいから何でもいけるって前自分で言ってたよね…


「なら…清楚な感じでまとめてちょっと恥ずかしそうにしながら行ったらいいんじゃない?」


「私っぽくなくない??」


「じゃけぇいいんじゃん、今までにないギャップに萌えるんじゃない?」


「…恥ずかしいじゃん…」


「その恥ずかしがる感じも少しずつ入れていけば大丈夫じゃろ…眠い…」


「眠いのはどうせ2人で興奮して隠れてイチャイチャしてたからでしょ、ヤレないんだから早くなればいいのに!」


コイツ隠しカメラでも仕掛けて見てたのか!?


「うるさぁわ、てか服決まったんだからこんな早く起こさなくても良くね」


「よくない!!まだ香水とか化粧とか色々あるし!!それに何でデート日にコンビニ弁当なのよ!!ありえんじゃろ!?」


「いやデートとかしらんし、てかサンドイッチじゃけ」


「かんけぇないし!!気分的にもっと優雅なモーニングを所望する!!」


「…は!?」


「ご飯食べないと着替えれないじゃん!!早く作って!!」


「まさかその為に??」


「もちろん!!あ、私お風呂入ってくるから用意しててね!!後もしかしたら炭酸水おかわりお願いするかもだからねるなよ」


「……はい…」


うちのワガママ姫は起きてすぐに風呂掃除をして半身浴する為にお風呂を沸かし、それから俺を蹴落として起こして服を決め、朝ごはんを指定してからお風呂に入るっというのを計画していたみたいだ、しかも最近美容の為にと飲んでいる炭酸水のおかわりの用意までさせるようで……はぁ…誰か変わってくれないかな…


その後仕方がないので朝ごはんを用意する。ちなみにたまにこういう日があるのでレパートリーは決まっている


野菜を切ったり冷凍保存してあるスープなどを温めていると、炭酸水のおかわりを要求されたのでバスルームに持って行き入り口前に置いておくと


「おにぃありがとうね」


とお風呂から華帆が話しかけてくる


「まぁ初デートに限り許してやる」


「…おにぃは凄いね、こんな緊張とかするんだね。デートって」


「まぁそうならないなら好きじゃないんじゃない? 俺はドタキャンされたけどね」


「でもそのお陰で今があるんじゃん」


「確かに、まぁ結月とはそのドタキャンの日以来かな、連絡するのも会うのも緊張するようになったのは…」


「まぁ確かに、そこぐらいから携帯みてニヤけるキモい奴が現れ出したけど」


「…言っとくけどお前も携帯みてニヤけてるぞ…多分依澄とやり取りしてる時…」


「は!?」


「最大なブーメランだな!!」


「うっさい!!もういいから早くご飯作って!!あとそこどいてよ変態おにぃ!!」


「はいはい」


そう言い残し料理に戻った

結局その後30分くらい出て来なかったのでしっかりとした物が作れた。ベーコンとチーズ、セミドライトマトのホットサンド、魚のアラのスープ、温野菜、ヨーグルト

…頑張ったよね俺??

「流石一流シェフ!!」


「まぁ折角温めた体冷やすのは良く無いから野菜多めで作ったぞ、ホットサンド一応半分しか出してないから足らなかったら言えよ、温野菜は逆に多めにしたから」


「インスタあーげよ!!」


「俺は入れるなよ…」


そう言いながらソイラテを出す

気にしている貧乳対策の為に地道に頑張っているのを隠したいみたいなのであえて触れないようにしている


その後もぅ寝る時間がないので俺も風呂に入り洗濯機を回していると結月からRINEが届いた



yuzuu,  華帆ちゃんの風呂覗いたってなに!?

      あとあの朝ごはん私も食べたい!!




華帆よ朝から頑張った兄に対してお前なにやったんだ…





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