第45話
色々会話をしているうちに美容院に到着した。
この美容院には結月の中学の友達が働いているそうだ。
「あ、結月まってたよー、この子達がお願いされてた子かな?」
「のぞみゴメンね、3人で、うん。あと連絡店長さんに連絡あったと思うけどこの後撮影もあるから」
「了解!!ウチはカットモデルだけだから軽く最後に写真と新しいカラー剤のテスターお願いね」
と結月の友達の、のぞみさんが話をしている。それぞれ担当の方に対応してもらってどうするかなど相談している。
その後軽く髪を流して貰いカット、俺は結月のアドバイス通りにする事にした。
「じゃ、松原君は私がカラーして行くね」
と言いながらのぞみさんがやって来た。
「てか結月の彼氏なんでしょ?何処で知り合ったの??」
「同じバイト先なんですよ、で結月が指導係で」
「ちゃんと呼び捨てで読んでるんだ。あの子最初怖くなかった??」
「呼び捨てにしないと拗ねるんで、最初は怖かったと言うより相手にされてなかった感じですね」
と話していると横から結月の咳払いが聞こえて来るがお構い無しに話を続ける
「あの子、基本他人に興味ないからね。でもやるねぇあんな美人を落とすなんて、相当遊びなれてるんじゃないの?」
「いや結月が初めての彼女ですよ。妹がいてそれが凄い女王様なんで、そのせいだと思います」
「いやいやあの結月がそれくらいじゃ落ちないよ。中学の時散々男子振ってきたのに」
とニヤニヤしながら話しているので結月が「いらない事教えない!!」と言っていたがのぞみさんは無視して
「で、結月のどんな所が好きなの??お姉さんに教えて」
「いやぁ、ここだと恥ずかしいですよ…」
と言ってくるが曖昧にごまかしていると
「あれぇ?言えないのかなぁ??結月悲しんじゃうよ?いいの?」
と言われたので仕方がなく
「クールそうに見えて実は優しくてイタズラ好きで寂しがりやで甘えん坊な所ですかね。まだまだありますけど余り言うと恥ずかしいんで」
と言ったらお店の中がシーンとなっていた。
鏡越しに横の結月を見ると顔を真っ赤にしていて、逆の香澄は笑いを堪えている。
「…うん、松原君、ごめんお姉さんが悪かった。余り砂糖をふりかけないで。お姉さん達甘すぎて耐えれない」
「いや、のぞみさんが言えって言うから…」
「うん、ゴメン、あんな悶えてる結月見れたのは新鮮だけど何か恥ずかしくなって」
と周りのスタッフさんも凄い恥ずかしそうにしている
「バカ橙李!!惚気るな!!」
と結月が顔を真っ赤にして叫んだので皆んなでわらっていると
「そういえば横の女の子と松原君の関係は?」
「あ、コレ幼馴染なんですよ」
「それで結月も知り合ったわけだ。てか幼馴染とは付き合わなかったの?そういうのよくあるよね?」
「香澄はもう1人の幼馴染と付き合ってるんでないですね。てか付き合ってなくても無いですね!」
「うわ、よくあるパターンのやつだね、男の子2人の幼馴染の内どっちかと付き合って、てか何で無いの?香澄ちゃん?可愛いよね?」
「まぁ容姿は整ってると思いますよ。でも何か妹って感じがして、後でくるアイツの彼氏もめっちゃイケメンですけどスポーツしか出来ない奴だから香澄がついててやらないとダメなんですよ、だから最近流行りの幼馴染で取り合うとかないですよ」
「うっさいわよ!てか橙李はただのシスコンクソ野郎だろ」
「あー確かに橙李はシスコンお兄ちゃんだね」
と横から香澄と結月がイジってくるので
「…いや、君達ウチの華帆様に逆らえますか?多分犯罪犯すレベルでヤバいよ?シスコンじゃなくてただの下僕だから俺、この前も『おにぃの物は私の物』とか言いながら買っておいた高いアイス食べられてたし…」
「あーゴメン、私、華帆にはかてないや、…アンタと同じくらい弱み握られてるし」
と香澄が少し暗い顔になっている。
ちなみに松原家では香澄の奇行をよく話のネタにしているのでアイツが知らないと思っている事も俺は知っている。
この話はヤバいので別の機会に
「あー私もあの強引なのはねー…」
とため息をついている。アイツ結月に何やったんだ?
「ほら俺はシスコンじゃない!!」
とドヤ顔で言うとのぞみさんに呆れた顔で
「いや、そこまで熱く妹の話が出来るのは充分シスコンだよ?」
と言われ周りもうんうん、と同調していた。
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