第8話

駐車場につくと結月さんから


「…ごめんね、なんか怖かったよね?」


少し恥ずかしそうにしながら訪ねてきたので


「全然大丈夫ですけど、意外でした!初対面の人と普通に話せてたじゃないですか、そっちのほうがビックリです!w」


「からかうな!!っっもぉ橙李のバカ、アレは橙李何時も頑張ってるし、私の変化とかに気づいてくれる人だからバカにされてイラッと来ただけ、そうじゃなくても少しモヤモヤしてて買い物で紛らわそうとしてたからいいストレス解消になったよ」


「…ありがとうございます」


「そんな感じで言われると照れるからヤメろ、ほら私の買い物はいいからおいしい物でも食べに行こ」


「そういえば結月さん今日なんの用事だったんですか?またなんか溜まってるなら聞きますよ?」


「いや、それは今はいいかな、橙李は今から私と楽しく遊ぶ事だけ考えればいいの!

実は行ってみたい所あるから前行った海の方へよろしく」


そういうとヘルメットをつけて早く早くと催促してくる、この人ホントに警戒心強いし自分の大切にしてる人以外には容赦なく牙を剥く近づいても気分で甘えたり、離れたり猫みたいな人だなぁと思いバイクをはしらせ始めた


海沿いに着いて商店街近くにバイクをとめ、2人で歩いているとやっぱり結月さんは目立つみたいで、こちらに視線があつまってくる、そんな事を気にしていると


「お腹すいてるよね?もうお昼終わる時間になるしまずはご飯食べよう!!」


「この辺美味しい所ありましたっけ??」


「私も行ったことないけど、あるのよ、、ちなみに橙李どんなとこだと思う??」


「そりゃぁ結月さんが連れてってくれる所だからお洒落なカフェとかでしょ?」


「残念!!じつは此処です!!」


そういって指を刺したのは昔からありそうな定食屋さんで、店の前にあるメニューも高いもので1200円と学生にもリーズナブルなお店だった。店内はリノベーションされ落ち着きのある古民家のような作りになっていた、


「意外でしょ、でも私こういった定食とかも大好きで偶に1人で行ったりするのよ」


「びっくりしました!でもこういう所いいですね、変に緊張しませんし、何か落ち着きます」


「でしょ!!ちなみに私はしらす丼が食べたかったから来たけど橙李どうする??」


「じゃぁ僕はこの本日の魚介丼にしようと思います」


「おぉいいね、欲しくなったら貰うね!」


「いやいや僕の方こそ貰いますよ、しらす美味しそうですし」


そんな会話をしていたら料理が出てきた、量もちょうどよく食べていたら


「橙李、そのカンパチおいしそうだからもらうね」


と言いいきなりカンパチを強奪されてしまった、負けじと僕も


「なら結月さんのしらす丼もくださいよ」


と言うと悪巧みをした笑みを浮かべながら


「もぅ橙李は甘えん坊だな、、ほら、あーん」


と自分が食べていたスプーンでしらす丼をすくいあーんをしてきたのだ、俺は居た堪れず


「…ごめんなさい、降参です。許してください。」


と頭を下げると笑いながら


「よわ!!w まだまだだね、出直してきなさい」


とイタズラが成功して喜んでいた、この人は自分の容姿の事をどれだけ理解しているのかはわからないが、童貞高校生にこんな美人からそんな事されて恥ずかしがらない奴なんて居ないと思う、ましてやこの前までツンってしてたのにこの振り幅はヤバいでしょと思い残りのを食べ進めた。

先に食べ終えぼーと部屋を眺めていると


「橙李!」とよばれたので顔を結月さんにむけ、はい!と返事をする為に口を開いた瞬間何かを口の中に入れられた

理解が出来ず唖然としていると


「ほらしらす丼最後の一口食べて」


と言いながら僕の口からスプーンを抜き取る。


「どぅ?美味しくない??これ?」


と質問をしてくる、確かに美味しいが間接キスの方が気になりそれどころでは無かった、


「ほらどう?」


「……美味しいです。」


「でしょ!また来ようね」


と上機嫌に笑顔でお店を出た


その後も街をふらふらと散策しながら歩きいい時間になったので結月さんを送り届けた、家の前で、


「いい気分転換になったかな?また行こうか、」と言われ何時ものように帰った、帰ると香澄、裕也、唯ちゃんからRINEが来ていた、香澄、裕也からはデートどうだったかというRINEで香澄には唯ちゃん用事てきてこれなくなったとだけ伝え、裕也には同じ内容と今日バスケ部練習だった?と聞くと当たり前だろ、デートさせろとキレ気味に返信がきた、そう考えるとあの唯ちゃんの肩抱いてた奴幽霊部員かな?と思いながら最後のRINEを見ていた、


唯  今日のあの人なに?

   あと香澄には今日の事言わないで


橙李 普通にバイト先の先輩、

   あと香澄には唯ちゃんが

   用事で遊びに行って無い事にしておいたから


唯  わかった、

   あの人失礼にも程があると思うんだけど


橙李 んー確かに言い過ぎ感はあるけど、

   てかなんで今日こなかったの?


唯  それは後で、てか橙李もとめなさいよ、


橙李 ごめんね、

   あとでちゃんとむこうにも言っておくから


唯  わかった、後今日のは

   集合場所に着く前に捕まって

   そのまま行く事になっただけだから


橙李 わかった


唯  また機会があったらさそって


橙李 わかった


唯  怒ってる?あの場では

   ああするしか無かっただけ、

   わかってほしいな


橙李 大丈夫だよ気にしてないから


唯  ならよかった



なんかいっきに冷めたわぁ、コレが女子ですか!?アホなんか?と思いつつも無視は良くないと思い返していると結月さんから


yuzuu 橙李、今日の大丈夫だった?

    私で代わりになれたとは

思えないけど、落ち込むなら

    何時でも声かけて、


橙李  結月さんありがとうございます、

    お陰でだいぶ

    落ち着いてます。またお願いしますね、


yuzuu 了解!!

     クールでコワイお姉さんでよければ

何時でもどうぞ!


橙李   ぅっちょ、なんっすかそれ!?


yuzuu 瑞希から聞いたよw


橙李   いやコワイとか言ってませんからね、

     瑞希さんはお子様扱いしましたけどw


yuzuu いってやろw


橙李   ダメです、やめてくださいお姉サマぁ


yuzuu 仕方ない、2人だけの秘密ね、

じゃゴールデンウィークも

     バイトよろしく!!


橙李   はい、今日ありがとうございました。

     よろしくお願いします!



この人どんだけ気遣い出来るんだよ、マジ可愛いすぎると思いながら寝る事にした

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る