第9話
それからのゴールデンウィークは鬼がかった忙しさだった
ウチのお店は立地の関係とまちがいなく双子の影響で1000個もある店舗の中で全国10位の売り上げを誇る繁盛店、その影響もあり、時給は高いのだがそれにしても忙しい、ラスト1日という事もあり皆んな変なテンションで仕事をこなしていた。
今日は21時から明日の朝まで店内に業者が入りクリーニングやワックスがけなどが行われる為終わってから皆んなで飲みをしようとの事で早めに終わった平田さん、結月さん、俺で平田さんの家で準備をしていた。
俺と平田さんが料理が出来るので、親戚のおっちゃんがくれた鯛などを刺身にしたり、おつまみを作っていたら先に平田さんと結月さんがお酒を飲み始めてしまい途中から1人で用意をしていた。
「松原ぁ結月ちゃんがだし巻き食べたいって、あと枝豆も沢山湯がいてぇ」
「とぉーりぃーおねがぁい」
まだ結月さん未成年だよなと思いながら言われた物を用意していた、そうここまでは良かったのだ、一通り作り終え俺はジュースで一緒に楽しんでいたら結月さんが平田さんに絡み始め平田さんが
「あとは任せた!他の奴くるまでタバコ買いに行ってくる」
と言い部屋から逃げていった、貴方タバコすいませんよね?
とか思っていたが結月さんがだいぶよってウザ絡みしていたからしかたないかと思っていたら
「…橙李さぁタバコすえる?コレ吸ってよ」
そういい鞄からセブンスターを出すと渡してきた。
「いやいや流石にタバコは無理ですよ!結月さん勘弁して下さい。」
と言うと食べていた枝豆を俺の方へ投げてきながら
「タバコも吸えんのんか、ダメな男」
そういいタバコに火をつけ、灰皿におく、副流煙が漂うなか
「これ元カレあつしが吸ってたやつ、この匂い嗅ぐと落ち着く、…橙李はいい奴だけど私の思い通りにならないからイヤ」
だいぶ酔ってるのかふらふら頭を揺らしながら枝豆、柿ピーを僕に投げてくる、
「もっと橙李は私だけみなさい!!、
私だって瑞希みたいにワガママ言いたいし遊びたいのわかる!?」
なんか色々溜まってた物が一気に吐き出されてる感じだなと思っていたら
「あつしより私に優しくしてくれるのは嬉しい、一緒にいて楽しいしドライブも気持ちい、でも私が1番じゃないのがイヤ」
「きいてますか?松原橙李くん?こんな美少女に言ってもらえて嬉しくないのかな?」
ちょくちょく出てくる元カレの名前に胸が痛むが、それは仕方がないがこのままだと色々みんなが来た時マズイ気がする、
と思い水を取りに行き
「結月さん大丈夫です?水ですよ」
「ありがとう、、、んー橙李眠い膝枕」
「いやいやそれはちょっとマズくないですか?」
「だめぇ私の言うことは絶対なの…ほら早く」
「はいはい」
なぜか流れで膝枕をする事になり、結月さんが寝そべる
「…橙李は私の事…嫌い?」
「嫌いならこんな事しませんよ?」
「なら好き?」
「…どちらかと言えば」
「…ねぇ…橙李…」
「…はい」
なんかいい雰囲気になってきた。
これ世間でいうワンチャンってやつじゃない??
と思っていると
「…足、臭いよ…」
…うわぁ、全然違った。はっずー
と顔を赤くしながらあせって
「!!っすいません!すぐ避けますね!!」
と結月さんの頭を持ちあげようとすると
「ヤダ!!…嘘だもん、ちょっとからかいたかっただけ」
と上目互いで見つめてくる
「このまま、もう少しだけで良いから」
「臭くないです??」
「ん!大丈夫!!」
「なら良いですけど」
「ねぇ橙李…」
「はい?」
「橙李、頭なでて」
「…仰せのままに、お姫様」
そう言いなれない手つきでゆっくりと頭をなでると、気持ちよさそうに頬を太ももに擦り付け笑顔になった
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます