列車

第1話

ミステリートレインというのがある。

指定された日、指定された駅に、参加者が集まり、

やってきた列車に乗り込む。

しかし、その列車の行先は、参加者はもちろん乗務員も知らない。

知っているのは、イベントの企画者だけで、運転士は無線で受けた指示通りに走らせる。

参加者は、風景や時刻表を見ながら、どこへ行くのか推理するというものだ。

民営化された今では、面白みが薄い。

今、僕は人生という列車に乗っている。

その列車がどこへ向かうのかはわからない。

レールは敷かれているが、ひとつではない。

複数のレールがある。

どのレールに進むかのポイントは、僕が切り替える。

終着駅は、どこかはわからない。

ただ、自分の選んだレールを、後悔なく走りたい。

僕はひとりではない。

助けてくれる、乗客（仲間）がいる。

困ったときは助け合う。

そして終着駅に着いた時、「いい旅だった」と思えるように・・・