第4話 鬼騎士との出会い



 そんな中、とある騎士団がある森の中へ訪れました。


 それは魔物の討伐のためです。


 増えてきた魔物の被害をおさえるために、騎士団に魔物退治の依頼がまわってきたのです。


 騎士達は人々を守るため、森の中で魔物退治に精を出します。


「一匹たりとも見おとすな! 俺達の仕事に人々の安全がかかっているんだ!」


 魔物の討伐をし終わった後、騎士団のリーダーである鬼騎士、(おとぎ話の中の鬼のような活躍を見せることからそう呼ばれるようになった)の一人の少年は、ボロボロの服を来た王女を見つけます。


 彼は一目で分かりました。


 多くの動物を従えて現れたその少女が、救世の乙女であるという事を。


 みすぼらしい姿をした王女は、しかし他人を気遣います。怪我をしている騎士達の様子を心配して、効果の高い薬草をくれました。


「ありがとう。助かったよ」


 鬼騎士の少年は、その出来事ですっかり王女を気に入りました。


 しかし訝しみます。


 ボロボロの服を着ているけれど、少女の立ち振る舞いからは気品があふれ出ている。それを見てその少女は、高貴な身分の方ではないか、と思ったからです。


「君は一体、どうしてこんな所に? 貴族の女の子だろう?」

「貴族じゃなくて王女なの」

「王女だって? そんなまさか」


 王女から聞いた話を耳にして、鬼騎士は驚きました。

 そして、すぐに目上の者に対する作法をとります。


「森の中の魔物が、報告より少なかった。それは貴方が動物を操って、かつて存在した救世の乙女の様に討伐してくれたからなのですね。ありがとうございます王女様。私達の剣は貴方のような人に捧げるためにあるものです」


 王女の心の高貴さに心を打たれた鬼騎士は、その王女を丁重に扱い、保護する事に決めました。


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