第3話 混迷する世界



 その世界には時々、救世の乙女という存在が現れます。


 それは、その世界の魔物達が活性化する時期に必ず現れる、特別な存在でした。


 これまでの英雄達や神様に認められるような、神聖な存在である救世の乙女。

 そんな存在はこれまでの歴史の中でいつだって、数多の動物を操って魔物達を滅ぼしていました。


 だから、この時代の多くの人達も、そんな頼もしい救世の乙女の出現を待ち望んでいました。


 というのは、最近魔物が増えてきたというおおきな問題があったからです。


「ねぇ、まま。きゅうせいのおとめさまはまだ現れないの?」

「良い子にしていればきっと大丈夫よ。私達が危機に陥った時には必ず現れてくれるから。さぁ、安心してお眠りなさい」


 世界中の人達は、不安で眠れない夜を過ごしていました。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る