休日。何もする気になれず、ベッドのうえで、仰向けに寝ていた。

 たわむれに、左の手のひらと右の手の甲をかさね、蟹の形にして、両指を動かしていたところ、手が一匹の蟹に変じ、顔の上に落ちた。

 私が金切声をあげると、蟹は部屋のドアから外へ出て行った。

 それ以来、戻ってきていない。

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