ふしぎな家
家族四人で暮らす家があった。家族構成は、夫婦と中学生の娘がふたり。
その家族にとっては普通の朝。四人はそれぞれ準備をして、順に家を出て行った。
「いけない」
最後に玄関のドアを閉めた父親が、ひとりつぶやくと家の中へ戻って行った。
そして、手際よく、明かりの消えている部屋の電気をつけて回り、「これでいい」とひとつ頷いてから、玄関のカギをかけ、小走りで家をあとにした。
夜。その家は暗闇の中で輝いていた。
いちばん最初に帰って来た母親は、玄関のドアを開けると、まず、家中の明かりを消して回り、最後にキッチンの電気を消した。
「さあ、夕食を急いでつくらないと」
闇の中から、母親の声がした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます