すみません
休日の昼間。
自宅のリビングで寝ていると、「すみません」という男の声で起こされた。
テーブルへ視線を向けると、見知らぬ若い男女が席に坐っていた。
家族の知人かと思い、ふたりに近づくと、女が言った。
「注文いいですか? ホットコーヒーをふたつお願いします」
女の言っていることの意味が分からず、私はとまどった。
民家で飲食店を開いている人もいるが、我が家はそんなことをしてない。
何の不自然さもなく、私に注文をした女が、無言でこちらを見つめている。
急に奇妙な状況へ置かれ混乱した私は、「お待ちください」と頭を下げて、キッチンへ向かった。
どうしたものかと思案をしている私の背中越しに男が言った。
「雰囲気のいい店だね」と。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます