第10話 雛夏という少女

 雛夏は桃花に対して、雛夏という存在の駒の役割を説明する。別件とドン被りなのでまたもや主人公が置き去りになるが。どうせ、あとあと実十にも降りかかって来るようなことなので先に話しておくことにする。初心者冒険者というのはこの辺り、入っていくのが難しいのがよく解る。というわけで説明をしただけで1時間ぐらいは終わった。


 Q29、ミュウという存在を教えてください。

 A29、知ってる人は大体知ってる、知らない人はこれから知ることになる。ご存じ、始まりのラスボス。時の神様、魔王など数多の神体を持っており。過去や未来のありとあらゆる自分を、現在という名の今に連れてくることが出来る。歩くタイムパラドックス。性格はとにかく悪役になりたがり、悪ぶるが根が優しすぎる子で。「二度と遊びに来るな」と言われてから、友達とは絶縁状態にあるのを今でも気にしている。今では、どの時代にも彼女という存在は時代のターニングポイントには必ず現れ。ジャンル・種類という名の次元さえ超えて存在する。ミュウは元々SF畑で育ったので、ミュウという本体はSF畑に居る。それは少なくとも過去25年ぐらいは変わらず揺らいでいない。星明幸はファンタジー世界での日本語名。天上院姫はVRMMO世界での日本語名。雛夏はデート戦争後の【束ねられた次の世界】の上に居る存在。神様自体は霊体で、神威という名で憑依合体をし、神業を世界に巻き起こす。本人は『信仰が数人いるだけの小さな宗教団体』だったはずなのに。知らないうちに、『信じるもの』を量産してしまった。宗教が絡むとめんどくさい。また、霊体として神威により浮遊戦空や凪ノ唄夜鈴と憑依合体し。〈神速〉持ちになった経緯もあるが、その詳細は不明。「つまんない」が口癖。


 Q30、星明幸という存在を教えてください。

 A30、ミュウとほとんど変わらない世界の住人、ただ都合が悪いからという事で。後にミュウというカタカナ表記から日本語名である漢字が必要になり、その名を名乗った。なのでミュウは自称で名乗っているわけだが、意味合いとしては明るい惑星の下で幸せになりたい。という不幸のどん底を味わったせいで、『幸』という言葉がついたのかもしれない。自称し始めたのは『吸血鬼大戦』と『デート戦争』の間である。文字は幸なのに全然本人は幸福を感じていなかった。


 Q31、天上院姫という存在を教えてください。

 A31、最初は無知無自覚の天才ゲーム運営人間だったが、次第に知識を得て神様として知識・感情をシンクロしだした存在。妹である天上院咲を「我が最愛の妹」と呼び、変態行動をしてスキンシップしていたが、今は神様の知識も得てしまったので、自重している。ゲームを作りたいという想いが色濃く反映されたミュウ=姫は、真面目に面白いゲームを作ることに奔走している。なので『何でもあり』のゲームに面白さを感じてはいない。ルールとルール、賭け金を天秤にかけ、人間も神様も平等に遊べるゲームを作るのが今の彼女の目的なのかもしれない。つまり、光闇とか善悪とかそっちのけで。面白いゲームを作りたい子。VRゲームの世界の中では、自分の神様信仰が何か変な方向に現実改変されていると、この時気づき。ネット名は『農林水サン』となっている忍者、パリィが得意。


 Q32、雛夏という存在を教えてください。

 A32、別名、江ノ島のミュウ。SFでもなく、ファンタジーでもなく。現代ファンタジーとしてのミュウ。性格はミュウに原始回帰しており、言動や振舞いは、もう元に戻っている。しかし、ミュウ・星明幸・天上院姫として過ごしてきた彼女彼らとの触れ合いは。少なくとも心は成長させている。と、思われる。根が悪役を目指したいという悪い長期的目標は、やっぱり今でも変わっていないが。あっちを改変こっちを都合よく、現代の神話は私が紡ぐと豪語している(予定。


 Q33、凪ノ唄蒼葉という存在を教えてください。

 A33、元々は凪ノ唄夜鈴の妹として誕生した、変身能力を持った少女が。不安定化の時期を経て、ボクっ子。男の娘として定着した姿。今でも不安定ではあるが、正式な文法(グランマティカ)を使える唯一の存在であり。他にも竜尾や銀も使えるらしいが、その実力は未知数のまま。変身能力は男女・ドラゴン・獣人、仕舞には機械としての命にもなれるとか何とか。とにかく僕っ子としては定着したものの、まだまだ不安定な子としては一貫している。


 Q34、オーバーリミッツという存在を教えてください。

 A34、情報不足により回答不能。


 Q35、ミュウはつまりどういうことだってばよ?

 A35、ミュウ=星明幸=天上院姫=農林水サン=雛夏=凪ノ唄蒼葉?=オーバーリミッツ? 、つまりこういう事だってばよ。以上です。

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