第17話

窓の鍵だが。



ユーコがやって来たその時、かけてあった。

たまに忘れっぽい俺は鍵をかけ忘れて寝ちまったりもするのだが、その日はちゃんとかけてあり、ユーコが開けようとする動作をしても

ガチャガチャという音がするだけで開かなかった。


何の用だろ?と思った。


今のいままで、道であってもシカトしてきた

幼馴染。


藤島という彼氏と歩いている時には

絶対に話しかけてくんなオーラを纏って

俺から距離を取っているのが見え見えだったのに。


「開けてよ」


そんな言葉が聞こえてきて。


俺は窓の鍵を開けて、

少し窓を開いてやった。


およそ、10センチくらいか。


それだけ、あれば

会話くらいならできる。


俺の部屋に上げる気は毛頭なかった。


何より、妹のアイリが。


幼馴染のユーコを中学の卒業式以来、本当に毛嫌いしており、

もう部屋に入れなくていいじゃん!あんな女!と俺に話したことがあったので

俺もその意見に賛同してたから。

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