021. 輝く時間
「これってこういうものなの?」
ラリーが結界に囲まれてから三十分。
三本目のロウソクに火を灯しながらエステルに聞く。
「結界に加えられた力は、そのエネルギーが光に変換されて外へと放出されます。されますが……これだけ強い光を放っているのを見るのは、私も初めてです」
この中ではラリーが刀を振り続けている。……はず。
眩しすぎて何も見えない。
「大丈夫なのこれ? 途中で出てきたりしない?」
「はい。物質と魔力の干渉を完全に遮断する結界を、常に二重三重と張り続けていますから。何も出られませんし、入れません」
「リサさんには結界が通用しないそうですから、結界がまだ破られていないということは……ラリー様がそれだけリサさんを追い詰めている、ということだと思います」
「そうだといいんだけど」
これだけ強く光り続けているということは、それだけ強い力が加わり続けているということで……中に居るラリーは無事なんだろうか?
あと三十分でエステルとミコが交代する。
マリーは二人を守るために周囲を警戒している。
私は時計を見て時間が来たらロウソクを立てる。
……暇だ。
そうだ、ラリーに何か書いてやろう。
ラリーから何か反応があるかもしれないし、これを見てラリーが頑張れば、この暇な時間も少しは早く終わるかもしれない。
Are you still alive?
Please don't leave me alone, please.
I have a lot of time for you right now.
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