第25話 キスするっていいよね♡
実は私、家事をしながら歌を口ずさむ。その時流行ってる歌とか、今ならキャンディーズとかキャンディーズ(笑)
夕飯の献立を考えないで、歌詞の意味を考える時間の方が長い。思考回路がこうだから仕方ない。
ふと、『歯痒い唇』を口ずさんだ時に、疑問に思った事がある。歯痒いくちびるって誰の歌? 昭和の実力派シンガー高橋真梨子さんの歌だよ。
若い世代の方は知らないかしら? コンサートの度に宿泊されたホテルのコーヒーショップでよくお見かけした。顔も小さく華奢な方で驚いた記憶あり。
歌も上手い。あっ、話が逸れた。で、私が疑問に思ったのは、キスする場所を間違えているっていう歌詞。えっ? キスって唇とか頬だよね、どこにされちゃったの? だ。
同じ事思った方はいるかしら? 男性はどこにキスをし、女性はどこにして欲しかったのだろう。何が正解?
続きにヒントがあって、「心の傷はそこにはない」って歌っているの。
心の傷を癒すためのキスはどこ? はい、質問です。貴方ならどこにしますか? 恋人、夫婦、親子、物、対象によって変わるのかしら?
うーん。私が傷ついている時、夫はどこにキスしてくれたかしら? 昔の男はどこだったかしら?
───知らんがな! ツッコミありがとうございます。興味ないね。笑
それで、調べたのだよ。キスする場所とする時の心境を。主に男性が女性に対しての意味だけれど、とても興味深かった。ちょっと聞いてね。
髪の毛……かわいい。おでこ……友愛。まぶた……理想的な相手と感じる。
耳……性的誘惑。頬……親愛。鼻……慈しむ。守ってあげたい。唇……恋愛。
顎……恥じらい。喉……支配したい。首……執着心。腕……恋慕。
胸……性的な情欲。手の甲……敬愛。お腹……母性を求める。腰……独占、束縛。太腿……性的誘惑。手の平……懇願。
これを考慮して、さっきの歌詞考察すると、色んなストーリーが浮かびますね。
女性は自分を独占して欲しくて喉か腰にキスして欲しかった。けれど男性はまぶたにチュッってした。
唇にして欲しかったのに、耳にしたとか……。この妄想したら時間がなくなる。文字数が……。
そういえば、昔の男は首ばっかりだったわ。夫は私の低い鼻ばかりなの。
うん、この情報いらないね。失礼致しました。
さあ、今回ご紹介するのは、水原夜月さん。もう一度言うね。ミズハラヤヅキさん。自己紹介によると2008年生まれの現役の中学生さんです。
タイトルは『放課後、図書室で君の手首にキスをする』です。夜月さんのあらすじをそのまま載せますね。
あらすじ…… 文学少女の香菜は、放課後だけ図書室に来て眠りに落ちる潔癖症の凛音に恋をした。そして手首にキスを落とす。それだけの話。
それだけの話! えっ? まずはなぜ手首にキスなの?
二人の関係性は? もう14才の瑞々しい感性で綴られる文章は、それはそれは美しいです。ちゃんと手首にキスする意味を調べてから書いておられて脱帽です。
一話目は香菜視点。二話目はキスされる凛音視点。どんな心の傷があるのか。構成も見事できれいな着地に拍手でした。それだけの話ではないじゃん。大人だわ〜! 感動。思わず続編をお願いしてしまいました。
近況ノートにはあとがきがあって、余韻に浸ったまま作者様の作品に対する想いを知る事ができます。
大事な事だからもう一度言います。手首にキスするってそういう意味なの?
知らなかった。着眼点に才能を感じてしまいました。ぜひご一読下さい。
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